コロナ第3波対応のための「2次補正予算の予備費」はどこへ
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月25日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。菅総理が出席して行われる衆参両院での予算委員会の集中審議について解説した。
衆参両院で予算委員会集中審議
衆参両院は11月25日、菅総理が出席して予算委員会の集中審議を行う。立憲民主党などの野党は「Go To キャンペーン」の一部見直しに加えて、安倍前総理の後援会が主催した「桜を見る会」の前日の懇親会をめぐる疑惑についても追及する構えである。
飯田)桜一色になりそうだという感じもありますが。
高橋)桜の季節じゃないのにね。安倍さんは毎年人気者ですね。辞めてからも。
飯田)人気者ですね。
事前予測ができて財源があれば、ほとんどの問題は対応可能
高橋)こういうことになると、予算委員会の本当にやるべきことができなくなりますよね。それでいいのですかね。いま、さかんに「医療崩壊だ」と言いますよね。でも、なぜいまごろ言うのでしょうか。医療崩壊があるから、Go To の見直しなどが出て来るのです。医療崩壊があるという前提で、いろいろな政策が狂って来るわけではないですか。医師会も「医療崩壊だ」と言うのですが、こういう話は、事前に予測ができて財源があれば、ほとんど対応可能なのですよ。
飯田)そうなのですね。
高橋)事前に予測ができて、財源があれば、何とかなるではないですか。それだけの話ですよ。
飯田)対応策を取れると。
2次補正の10兆円の予備費が積まれたまま~5月にコロナ専門病棟をつくっていれば病床は確保できていた
高橋)多くの問題は事前に対応策がわからない。それは対応できません。そうなると財源がない、それはもう対応できないですよ。でも事前にわかっていて財源があると、対応策は簡単です。これは、まさしくそれに該当します。「第3波が来る」ということは、確実なことで、4~5月のときにわかっていたことです。「いつ来るか、どの大きさか」はわからないけれど、来るのは確実でした。4月に1次補正をして、5月に2次補正をしたでしょ。その2次補正をしたときの、10兆円の予備費はそのためにつくっているのです。
飯田)確かにそうですね。積まれたままですよね。
高橋)あれがどうなってしまったのか、そちらの方が問題です。あのときに野党が、「大き過ぎる」と批判しました。だから執行停止しているような状態だったのです。そちらの方が問題です。コロナ専門病棟をどこかに建てておけば、少なくとも病床は確保できていたのです。5ヵ月あれば建てられます。
飯田)最悪、応急処置でプレハブなどでも、機械を入れれば問題ないし、諸外国はそうやっているところもあります。
高橋)それに日本は感染者の数、重症者の比率は海外に比べて桁違いで低い。1桁、2桁違います。それでなぜ対応できないのか、私にはよくわからない。そういうようなところをきちんと見て、いまからでも対応することが国民の為だと思います。
飯田)確かに。しかも感染症法上の扱いで、最初の方は2類相当の扱いで、全員入院しなくてはいけなかったのですが、10月の終わりくらいに変えましたよね。基本5類相当で扱って、即入院でなくて自宅や宿泊施設での療養も可能になった。だからホテルを借り上げることでも対応できますよね。
高橋)お金もあるでしょ。
飯田)「厚生労働省は何をやっている」ということになります。
「桜を見る会」の議論よりも新型コロナ第3波への対策の議論をするべき
高橋)「桜を見る会」よりもそういうところを議論したほうが、国民にとってより意味があると思いますが。桜の話をされても一部野党は盛り上がりますが、いまのこのコロナには関係ありません。
飯田)メールも来ています。江戸川区の“シゲキ”さんから。「まさにその2次補正の予備費の10兆円、残り7兆円程度ですが、何に使うのですか? 緊急事態だと思いますが、どうなのですか? 次に来る波まで想定しているのですか?」といただきました。
高橋)これは今回を想定した話です。5月にやっているわけだから。5月に、「2波、3波のときにどう対応するのか」ということだったのですが、「なぜこんなに積むのか」という批判がありました。予算の名称も、「新型コロナウイルス感染症対策予備費」です。そのものズバリではないですか。「資金使途をどうのこうの」と言っていた人もいましたが、来るのは確実なのだから、それを使うしかないのですよ。それは事前に使わないとダメです。不思議ですね。
飯田)「いままで何をしていたんだ」ということですよね。
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