ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月16日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。茂木外務大臣がウズベキスタンのウムルザーコフ副首相と行った会談について解説した。
茂木外務大臣がウズベキスタンのウムルザーコフ副首相と会談
茂木外務大臣は12月15日、ウズベキスタンのウムルザーコフ副首相と会談した。会談では、両国の経済面での協力を進めて行くことで一致した。茂木外務大臣は中国を念頭に、自由で開かれた国際秩序の重要性を指摘した上で、中央アジアが安定的に発展するよう貢献して行く考えを伝えた。
飯田)外務省内で1時間にわたって会談が行われました。ウムルザーコフさんは副首相兼投資・対外貿易大臣です。
日本にとっても重要な中央アジア
宮家)中央アジアは重要です。「中国を念頭に」とおっしゃいましたが、まさにそうです。中国の新疆ウイグル自治区ですよね。中央アジアはイスラムと中華文化が重なる部分です。ウイグルで中国は非常に難しい国内問題を抱えています。茂木さんがおっしゃっていたような「開かれて安定し自立した」中央アジアとは、つまり、特定の国が支配することがないということです。不安定になってどこかの国に依存しても困るので、自立してもらうことも重要です。そのウズベキスタンから要人が来てくれたのだからありがたい話です。いまはテレビ会談ばかりですから、数少ない対面での外交です。でも、これが本来あるべき外交の姿ですよね。
飯田)茂木さんはこの間アフリカを訪問して帰って来ました。
中国から投資を受けた結果に資源や港の権利を奪われたアフリカ
宮家)茂木さん、アフリカもよく行きましたよね。4ヵ国ですが、これも中国が念頭と言っていいでしょう。中国はアフリカの一部の国に巨額の投資をしています。しかし、金利は高く、しかも二国間の借款の中では、7~8割を占める形で入りました。結局、中国にやりたい放題やられて、資源の権利や港の権利を持って行かれたりしています。日本もアフリカ諸国とはTICADで努力していますが、何年かに1度やるくらいですからね。アフリカとはこのように直接話すことが大切です。
飯田)今回、最初に訪問した国はチュニジアですが、ここが次のTICADの開催国です。その辺の根回しもあったようです。TICADでいちばん最初に汗をかいたのは日本です。
宮家)そうです。中央アジアもアフリカも中国は関心をもっていましたが、最初に着目して動いたのは日本の方が先です。その間に追いつかれてしまったこともあるので、今後も一生懸命やらないといけません。
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