韓国の検事総長懲戒処分がこの時期に行われる「もう1つの理由」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月17日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。韓国の尹錫悦検事総長が懲戒処分を受けたニュースについて解説した。
韓国の尹錫悦検事総長が懲戒処分
韓国の文在寅大統領は12月16日、政権をめぐる疑惑の捜査を指揮して来た尹錫悦検事総長に対して、懲戒委員会が決めた停職2ヵ月の処分を執行した。これを受け、尹検事総長は不当な措置だとして法廷闘争を展開する構えだ。
飯田)前の法務大臣でタマネギ男と言われた曹国さん、彼の捜査を容赦なくやったので、その恨みを買ったのではないかということも言われています。
高橋)韓国はこの時期になると、いつも同じようなことが繰り返されますね。
飯田)大統領任期末期に。
高橋)不思議な国ですね。
飯田)検察改革と情報機関の改革、2つともある意味解体ということになるのでしょうか?
高橋)穿った見方をすると、文在寅さんが自分の辞めた後の安泰のために、検察を弱めている、とも見えるではないですか。でも、こういうことをすると、支持率が下がるでしょう。そうすると、ますます苦しくなります。尹錫悦さんは、次期大統領候補に挙がっているくらいなので、万万が一ですよ、この方が大統領になってしまったらどうなるのでしょうか。そうすると、本当にすごい世界ですよね。
飯田)なんだか王朝の交代のような。
国内が揉めていると他の国も引いて来る
高橋)こんなんだと、日韓関係も交渉しようがないですよね。
飯田)こうやって内政がガタついて来ると、歴代の韓国大統領は、外に対して強く出て来ますよね。
高橋)強く出ても、どの国も相手にしないでしょ。この間も習近平さんの訪韓がなくなりましたよね。
飯田)年内訪韓を模索していたという話ですね。
高橋)こういうことになると、だんだん他の国も引いて来ます。
飯田)日本との関係では、例の輸出基準の見直しの話がありました。
高橋)あのままだし、日中韓のサミットも当分やらないですよね。
飯田)今年(2020年)は韓国が議長国で、ソウルでやるのではないかと言われていましたが。
高橋)日中韓のFTAの話もあったのですが、RCEP(地域的な包括的経済連携)協定ができてしまったから、意味が薄れてしまいました。日本との間の交渉もほとんど没交渉になるのではないでしょうか。
韓国のTPP加入検討はポーズか
飯田)それがあるからですかね、ここに来て、文在寅大統領がTPP加入検討を明言しています。
高橋)いままで韓国はいろいろな国とFTAをやって来たのですが、日本を全部避けていたのです。日本がいるところだと、同じ構造だから韓国が負けてしまうかも知れないので、すべて日本を避けて来たのです。でも中国がTPPに参加すると言い出したから、韓国もと言っただけではないでしょうか。あまり主体はないと思います。
飯田)でも、中国は韓国よりももっとTPPには入りづらいですよね。
高橋)普通のTPPのルールであれば、中国が参加することは絶対無理です。韓国にとってもハードルはかなり高いです。実は韓国も電力公社など、国有企業が多くて難しいのです。だからあれはポーズです。韓国だけ入れたら面白いですよね、中国について行って、中国がいないとなれば、韓国もTPPには入らないと思います。
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