ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月24日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。政府による現在の新型コロナ対策について解説した。
新型コロナ分科会~店舗への支援措置や罰則を含む特措法改正案を協議
12月23日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が開かれ、特別措置法の改正などについて協議が行われた。年末年始の対策や休業、営業時間短縮などに応じた店舗などへの支援措置の明記や罰則規定について検討して行く。
飯田)分科会終了後の西村経済再生担当大臣のコメントです。
西村経済再生担当大臣)特措法の改正につきましては、改正の必要性については概ね理解を得られたものと思います。今後、次期通常国会に法案提出することも念頭に置きながら、政府として迅速に検討を進めたいと考えております。
飯田)新型インフルエンザ等措置法に基づいて、政府がいろいろと対応しているということです。指定感染症の期限が1年なので延ばす、という話も出ていますが、それに先立ってということで、これは次の通常国会でという話ですかね。
鈴木)最初は、政府の考え方としては、菅さんが官房長官のときに言っていましたけれども、「コロナが収束したらやる」ということでした。それに対して、「それは違うでしょう。いまやらなくては」という感じだったのだけれども、それよりは早まった。ただ、早まったと言っても、結果的には遅いですよね。少しでも早くということで、法律なのでいろいろ法解釈など準備が必要なのはわかりますけれどね。とにかく、通常国会では優先的にこの法案は審議されるという流れになると私も聞いています。あとは中身です。
飯田)そうですよね。
「補償」と「罰則」をどうするのか
鈴木)いちばんのポイントは、いわゆる補償の問題。自粛などに伴って、補償をしっかりするということ。これはしっかりと国が面倒を見るということです。それと地方の権限です。いまは緊急事態宣言を出して、「その後に」なんて言っているけれども、「決めるときにはすべて国と相談してやる」という政令がある。この辺りも、法律的に地方に権限を与える根拠が必要です。もう1つ、ポイントになって来るのは罰則の部分でしょうね。休業要請や自粛要請。強制力を持つかどうかは別としても、それに違反すれば、これは刑事罰ではなく行政罰ということになりますけれども、どこまで罰則を設けるのか。例えば、「自宅療養をしてください」と言っているのに、自宅療養せずに外に出た場合など。難しいのは、ウイルスは目に見えないから、「この人が外出してこのように感染させた」という証明が難しいです。そういうものについて罰則はどうするのか。
飯田)権限に関しては、都道府県知事が権限主体になりながら、「政府が総合調整する」という文言がいまは入っているので、少し曖昧になっています。
権限を「委譲するならば委譲する」というハッキリとした判断が必要
鈴木)よくも悪くも、日本的ですよね。その曖昧さがあるから臨機応変に対応することができるというメリットもあるわけです。だけれども、ここは「0か100」か、「白か黒」でしょうというときに、「どちらの責任なのか」というところで判断がつかずにグズグズしてしまう。いろいろな考え方があるでしょうけれども、私が取材していて思うのは、一貫して春先から言っていますが、今回は有事だと思うのです。有事のときに、お互いに協力しながら法律のある程度の隙間があるので、「話を合わせて行きましょう」ではダメです。ここで改正に必要なものは、罰則を含めた権限を「委譲するなら委譲する」という、白黒つけたものが必要だと思います。
日本では難しい人の移動の制限
飯田)その点で言うと、緊急事態宣言のときにも問題になったのは、「緊急事態宣言をしたところで、人の移動は制限ができない、お願いベースだよね」ということがありました。これはそのまま残るという形になるのでしょうか? 諸外国では、夜間外出禁止としているところもありますが。
鈴木)これは難しい。
飯田)難しいところですよね。まさに人権や権利との兼ね合いになって来るところです。
鈴木)ここは、日本国民の善意を信じてもいいのではないでしょうか。
飯田)ここまで感染者と死亡者を低く抑えて来たというのは、かなりその部分で効果が出ているところですよね。
鈴木)ほとんどの人が「そこまでしなくてもいいよ」というくらいマスクをしているではないですか。「若いので平気です」と言っている若い人たちが、インタビューを受けながらきちんとマスクをしています。とは言え、私は罰則も必要なタイミングに来ていると思います。
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