「垣花正 あなたとハッピー!」(2月10日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の評議会での発言で騒がれている東京五輪・パラリンピックについて、森永卓郎が「東京オリンピックは中止するべきである」という持論を展開した。
東京オリンピック・パラリンピックはいますぐ中止するべき
新型コロナウイルスと向き合いながら、東京オリンピック・パラリンピックはあくまでも、「開催する」という方向で進んでいますが、果たしてそれでいいのか。私は「いますぐ中止と決めるべき」だと思います。このまま行くと、開催することができたとしても、無観客という可能性が高い。そして、「東京オリンピックを開催する」ということが、新型コロナ対策、経済対策の足かせになっているのです。
新規陽性者数が500人を切っても緊急事態宣言が解除されない理由
現在、緊急事態宣言が継続されています。当初は、「新規陽性者数が500人を切ったら解除も視野」と西村経済再生担当大臣は話していました。しかし、まったくそんな話にはなっていません。緊急事態宣言が長引くと厳しいのは、飲食店だけではありません。クリーニング屋さんや接骨院、特にエンターテインメント関係は大きな影響を受けています。なぜいま解除できないかと言うと、3月ごろが「東京五輪を開催するかどうかの最終判断」の時期になります。そこに向けて徹底的に抑え込むという姿勢になってしまっているからです。
緊急事態宣言は2020年11月に発出すべきであった
いまのように、中途半端な対策をだらだらやらず、短期で徹底してやらなければいけないのです。実は緊急事態宣言も発出が完全に遅れたのです。1月2日の時点で東京、千葉、埼玉、神奈川の4知事が緊急事態宣言の発出を要請していました。去年(2020年)12月31日の東京都の新規陽性者数は1337人になっていました。専門家によっては、「(発出の)判断は11月だったのだ」と言う人もいます。遅れた理由はターゲットがオリンピックだったからだと思います。3月中旬くらいがオリンピックを開催するかどうかを判断する時期なので、2ヵ月間は織り込み済みだったのだと思います。そこに向けて新規陽性者数が減るようにしたのではないでしょうか。
オリンピックのために効果的な新型コロナ対策ができなかった
いちばん効果的な対策は、「短期間、東京23区を2週間程度封鎖して、大規模なPCR検査をして、無症状の陽性者を隔離する」ということなのは、世界を見ても明らかです。WHOもそう言っていました。しかし、オリンピックを開催させるために、ボトムを3月中旬に持って来なければいけないので、このような思い切った対策ができないのです。理由が全部オリンピックなので、オリンピックさえなければ、もっと効果的な対策が取れたのです。
オリンピックを開催することで起きる新型コロナ拡散のリスク~感染者宿泊療養施設として選手村が使える
関係者含め選手が東京に来ることによって、コロナが日本に拡散する、日本で感染した人が世界に拡散させてしまうというリスクの可能性もあります。また、いま感染者の宿泊療養施設が足りませんが、中止をすれば、晴海のオリンピック選手村のマンションの5632戸が使えるのです。広いので1戸に3人くらい入ることが可能です。オリンピック選手村だけで全員入れるのです。
ワクチンを2回打ち、免疫ができるころにはオリンピックは終了している
「ワクチンが広く普及して、安全なオリンピックが開催できる」というシナリオになっているようですが、これはもうほぼ絶望的です。一般国民に接種が始まるのは、6月になるかも知れないと言われています。2回打って免疫が完全にできるまで2ヵ月近くかかるので、オリンピックのあとになってしまうのです。
東京オリンピック・パラリンピックは来年に延期するべきである
日本国民のためにも、オリンピックは来年(2022年)に延期した方がいいと思います。来年ならば、ワクチンの効果も出て、感染が抑え込まれているでしょう。無観客で開催しても、テレビでしか観られないのならば、海外のオリンピックを観るのと変わらないではないですか。
番組情報
ふつーの男・沖縄県宮古島出身の垣花正がお届けする、ニッポン放送が自信と不安をもってお送りする朝のワイド番組!レギュラー・ゲストとのコンビネーションもバッチリ!今の話題をハッピーにお届けしていきます!