ショウアップナイター エピソード55
<エピソード4~開幕前夜、川崎憲次郎に明かされた事実~>
~今年2021年、放送開始から「55周年」のシーズンを迎えたニッポン放送「ショウアップナイター」。これを記念し、中継だけでは届けきれない取材情報や解説陣の“ここだけの話”など、「55」のエピソードを紹介していく連載企画~
野球解説者・井端弘和氏が、松井秀喜氏との高校時代の“初対戦”の強烈な思い出、そしてプロ入り後の松井氏との忘れられないエピソードを明かした。
今年2021年、55周年を迎えるニッポン放送ショウアップナイター。その“55周年特別広報大使”を務める松井氏との深い思い出を、ショウアップナイター解説者を務める井端氏がじっくり振り返った。
「松井秀喜さんとの最初の対戦は1992年、春の選抜の2回戦。2対0で迎えた8回、松井さんにホームラン打たれてとどめを刺されたのが思い出ですね。膝元のスライダーをものの見事にライトスタンドに運ばれた時に、金属バットなのに金属バットじゃない音がしたのを記憶しています。バットの芯に当たってないと思いますが、それでもまったく問題ない飛距離。当時からパワーはトップクラスでした」
「そしてプロに入って自分がはじめてオールスターに出場した2001年、その当時オールスターは3試合あって、福岡ドーム・横浜スタジアムと2試合終わった後、1日移動日を挟んで札幌ドームで試合が組まれていました。その移動日に、僕と松井さんはとあるイベントに出ていましたが、そのイベントの途中に松井さんから『この後何か用事ある?』と聞かれたので『いや、何もないです』と答えたら『ご飯食べに行こう!』と誘われました。年齢も1個上だし、プロ野球界でも長いこと活躍している人だったので、正直誘われた瞬間から食事会が終わるまで緊張していました。まるでオールスターを1試合やったような疲労度でした(笑)。この辺から松井さんと話をさせてもらえるようになって、またオールスター出たいなと思いましたし、ドラゴンズだけじゃなくて他の球団にも目が行くようになって、自分にとってはそこから成長ができたと思うので、とてもいい一日でした」
──今年も開幕まであと11日に迫りましたが開幕戦の思い出はありますか?
開幕戦で忘れられないのは落合博満さんが中日ドラゴンズの監督に就任した2004年ですね。開幕前日の夜に川崎憲次郎さんから電話がかかってきて……
川崎:何してる?
井端:いや何もしてないです
川崎:ちょっとお茶でもしに行かない?
井端:いいですよ!
……という事で川崎さんに会いに行くと、僕以上に緊張している川崎さんがいました。川崎さんから「明日開幕投手なんだよ」と聞かされた瞬間、その事実を知らなかった僕は喫茶店でひっくり返りました(笑)。怪我により3年間思うように成績を残せなかった川崎さんの登板で下手なことはできない、打たないといけない、勝たないといけないというのが一気にきて正直疲れました(笑)。始めて開幕スタメンで出るときより、その年の開幕が一番緊張しましたね。そして、周りの人に「明日、川崎さんらしいよ!」って言いたいじゃないですか。でも当時は言えなかったんですよ。当時知っていたのは、キャッチャーの谷繁元信さんを含めて2、3人ぐらいだったと思います。谷繫さんも誰にも言えなかったから苦労したと思いますよ。
──ご自身の開幕戦についてお伺いします。
毎年の事ですが、最初の打席は緊張でプロになってから何年目かまでは足が震えてましたよ。でも、十数年開幕戦で打てなかったのは1試合だけ。その1試合のときは焦りましたが、2打席フォアボールを選んで打線が繋がって逆転勝ちしたので、その時はヒットでなくても嫌な感じはしなかったですね。ただ次の試合でもヒットが出なかったので焦りましたね。でも、3試合目に4本くらいヒットが出て、一気に取り返した感じになったのでそれ以降焦った感じはなかったです。ただ、何打席もノーヒットだと周りの選手が気を遣うので、それが一番ショックでした。だから、どの選手にもいいスタートをきってほしいですね。
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番組情報
今シーズンも「いつでも みんなのプロ野球」をキャッチに、臨場感あふれる実況生中継はもちろんのこと、様々な企画もあわせて“いつでも”リスナーや野球ファン“みんな”が楽しめるシーズンをお届けします。2024年は“熱ラジ”