ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月2日放送)に作家で自由民主党・参議院議員の青山繁晴が出演。菅総理のアメリカ訪問について解説した。
菅総理大臣の訪米
政府によると、菅総理大臣は4月8日に米ワシントンを訪問し、9日にはバイデン大統領と対面での首脳会談を開催する方向で調整に入った。会談では、東シナ海、南シナ海で軍事的影響力を強める中国を踏まえた地域情勢について意見交換し、「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現に向けた協力や、北朝鮮の非核化についても議題になる見通しである。
欧米にとって中国に対するすべての拠点が日本になる
飯田)バイデンさんが対面で会う首脳は、菅さんが初めて。これは「日本が選ばれた」と見てもいいのでしょうか?
青山)もちろんです。アメリカで大統領が交代した場合は、「最初に誰と対面するか」ということは大事な要素なので、日本が選ばれたことは間違いがないのですが、それは日本が立派になったからということではありません。中国の暴走があまりにも激しい。アメリカはハワイに軍事基地を持っていても、西太平洋だけを考えても遠い。まだ日本全体の意識にはなっていませんが、目の前にいる日本の役割が、考えられないほど重大になっているのです。
飯田)4月1日に出たニュースでも、霧島演習場という九州の演習場で日本とアメリカ、フランスの共同訓練が計画されていると。
青山)「日米仏」というのは、あまり聞いたことがないでしょう。
飯田)本当にそうですね。
青山)中国は莫大なコストを使って「一帯一路」をやって、ヨーロッパを我がものにしようとしていたのです。日米の絆は強固なので、「ヨーロッパを自分のものにして、裏側からアメリカや日本に迫って行く」というのが中国の戦略でしたが、新型コロナウイルスのためにその計画が頓挫してしまい、逆にイギリス、フランス、ドイツが中国の喉元に軍艦を派遣するということにもなっているわけです。だから、アメリカからも、EU諸国からも、それからEUを離脱したイギリスからも、日本がすべての拠点になるわけです。
サプライチェーンから中国を外し、日本を拠点にして考える
青山)そのリーダーの菅総理がどういう能力と理念を持っているかが、大きく問われているのです。いままでの日米首脳会談では聞いたことがないようなテーマがあります。例えばサプライチェーンです。いままで部品の供給から売り捌きに至るまで、中国頼みだったのですが、そこから中国を外す。外したところで、日米欧という民主主義の国々でどのように東南アジア諸国と一緒に回して行くのかということを、日本を拠点にして考えたいということなのです。
「日本が民主主義のリーダーとしてアジアの役割を果たすために、アメリカもイギリスもEUも協力して欲しい」と言う理念を打ち出せるかどうか
青山)こういうときに事務的な答えだけに終わってしまうと、アメリカもヨーロッパも肩透かしをくらうことになるので、重大なことは、日本の理念を語るということです。別に難しい話ではありません。中国は独裁主義に依存している国です。独裁主義がなかったら、中華人民共和国はバラバラになってしまう。多すぎる人口、広すぎる国土、多様すぎる民族が実態ですから、どうしても独裁主義にならざるを得ない。でも、日本は古代の仁徳天皇から民主主義を育んで来ました。アジアの実態を考えると、中国と向き合うのは民主主義のリーダーとしての日本しかないのです。
飯田)民主主義のリーダーシップとして。
青山)「日本が民主主義のリーダーとして、アジアでの役割を果たすために、アメリカもイギリスもEUも協力してくれ」という理念を打ち出せばいいのです。それを言うか言わないか、そこに気持ちが入っているか、そこが日本とアジアの運命の分かれ道です。
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