NHK「軍艦島」映像捏造疑惑の真相
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月2日放送)に作家で自由民主党・参議院議員の青山繁晴が出演。NHKの「軍艦島」を扱ったドキュメンタリーにおける映像捏造疑惑について解説した。
NHK「軍艦島」映像捏造疑惑
長崎県の通称「軍艦島」、端島の暮らしを記録したNHKのドキュメンタリー作品「緑なき島」に対し、一般財団法人「産業遺産国民会議」と「真実の歴史を追求する端島島民の会」が「事実の改竄(かいざん)が行われた」と告発している問題で、NHKの前田晃伸会長が3月30日の参院総務委員会で答弁した。
飯田)3月30日の参院総務委員会で、青山繁晴さんも質疑なされました、NHKの軍艦島のドキュメンタリー「緑なき島」の捏造疑惑について。夕刊フジでも記事として詳しく取り上げられていますが、「緑なき島」の一部カット。特に坑道のなかで働いていらっしゃる方々の映像が、果たして本当に端島で撮られたものなのかということを中心に質疑なされました。NHKの答えも含めてどういう形になりましたか?
NHKの前田会長が答弁していない
青山)まず、NHKの前田会長が答弁なさっていない。NHKの官僚機構と言わざるを得ないのですが、そのなかの人が答弁されて、尽く答弁をかわされて終わってしまうのです。
飯田)前田会長ではなく。
実際の炭坑現場は保安規定が法律に基づいてつくられていた
青山)実態としては、疑惑という段階ではなくて、炭坑で働いていらっしゃった方が、私がお会いした方で言えば94歳が最高齢ですけれど、お元気な方がいっぱいいらっしゃるのです。お話を聞くと記憶が鮮明で、複数の方々の話も符合している。三菱の鉱山だったのですが、世界最先端、世界最良の炭坑の1つであって、保安規定が法律に基づいてつくられていたのです。例えば作業服を着ていなければいけない。それから、頭につけるヘルメットもみんな同じもので、スターライト工業というところのものです。坑内は暗いですから、ヘルメットにキャップライトと言って、明かりがついているのです。
飯田)おでこのところに。
青山)坑内も高さが確保されていて、だいたい1.9メートルあります。
飯田)人が普通に立てるくらい。
青山)よほど背が高くない限りは立てます。それから、ガスが出る炭坑なので、甲種炭坑と言うのですが、裸電球は絶対にダメなのです。誘爆しますから。
飯田)火花が散ったりすると大変なことになる。
入れられている映像では実際と違う炭坑現場が映されている
青山)ところが、映像を観ると、ふんどし一丁のほぼ裸の姿で、ヘルメットがまったく違う会社のものなのです。丁寧に調べたのですが、どのメーカーであるということも特定がほぼできました。それからライトがない。どうやって作業をするのかと。それから、裸電球がぶら下がっていて、ものすごく狭いところに腹這いになって作業をされているのです。実際に炭坑で働かれていた方々にとっては見たこともない。
飯田)こんな現場はなかったぞと。
青山)あり得ないと。かなりはっきりしているわけです。しかも、「緑なき島」というドキュメンタリー全体がおかしいのではなく、その短い部分だけがおかしいのです。軍艦島という呼び名でお馴染みですけれど、長崎市の沖合にある端島という島です。この端島炭坑、通称「軍艦島」を含めて、いまから6年前に世界文化遺産に登録されたのです。明治期の産業革命が立派に成功しましたということで。
韓国が「軍艦島で朝鮮半島出身者への虐待労働があった」とするプロパガンダに利用
青山)その前後から覚えていらっしゃる方もいると思いますが、韓国が強く反対して、妨害に近い行為もありました。それを普通に突破して、世界遺産に指定されたら、このNHKのドキュメンタリー映像、古いもので昭和30年に放送しているのですが、その映像を使って、例えば韓国の釜山にある国立の、いわば日本を非難する展示館で放送を許可なく流していたり、あるいは韓国の報道機関もNHKのものを使っています。古くに問題映像があったということではなく、現在、不当不正に利用されているということが問題です。
NHKは自ら検証をして番組をつくるべき
青山)まずNHKが検証番組をつくって、なぜ他の、おそらく筑豊の小さな小山と言うのですが、小さな炭坑で撮られたものです。ただし、働いている方は朝鮮半島出身の方ではなくて、日本人の方です。そういうことなのに、「なぜ違う映像が差し込まれたのか」ということを自ら検証して、それから当然、韓国でこれが不当に利用されたということを、番組内できちんとやって、韓国側の反論なども入れて、もちろん、島民の方々の証言も入れて番組をつくってくださいと。報道人の誇りを持って、公共放送の使命としてもやってくださいと呼びかけました。
NHK前田会長「NHK会長になってから、この組織のなかに理解に苦しむことが多々あります」
青山)そうしたらNHKの前田会長は、質問のなかで、その呼びかけをしましたので、「島民の方々と会ってもいい」というニュアンスのことを言われたのです。ところが、同席していたNHKの内部の人から紙を渡されて、発言が後退したので、最後にもう一度前田会長の人となりに焦点を当てて、東京大学法学部出身なのですが、官僚になることをせずに、民間の銀行に行かれたのです。そうやってお話ししたら、それにきちんと答えてくださって、何と、「NHK会長になってから、この組織のなかに理解に苦しむことが多々あります」とおっしゃったのです。これは非常に重要な証言です。
飯田)あそこは自分の言葉で話されていたような感じですよね。
青山)そうです。突如、自分の言葉で紙を読まずに話されましたね。だから、ここから先です。島民の方と、実際にNHKが議論をしていただく場をつくりたいと考えています。
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