東芝~英投資ファンドからの買収提案の真相
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月12日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。イギリスの投資ファンド「CVCキャピタル・パートナーズ」による東芝への買収提案について解説した。
CVCキャピタル・パートナーズから2兆円規模での買収提案を受けた東芝
イギリスの投資ファンド「CVCキャピタル・パートナーズ」から2兆円規模での買収提案を受けている東芝は4月9日、「提案の検討には相応の時間を要する」との永山治取締役会議長のコメントを発表した。また、詳細な情報を受け取った場合には「慎重に検討する」という声明を発表している。
飯田)4月7日に明らかになった買収提案、「物言う株主」と対立していたということで、これを上場廃止する形での買収を画策ということですが。
東芝車谷社長の自己保身~古巣のCVCキャピタル・パートナーズと連携して、「物言う株主」を排除へ
須田)「物言う株主を排除する」というのが買収提案の大きなポイントだという報道になっているのですけれど、何のために買収するのか。新聞報道等を見ていると、一般の方には理解できないのではないでしょうか。東芝はほとんど成長戦略が描けていない企業です。「買収する側にとって、どんなメリットがあるのか」ということが見えていないのです。一言で言ってしまうと、この東芝の経営トップ、車谷社長の自己保身です。
飯田)自己保身ですか。
須田)物言う株主からクビにされそうになったので、自分の身を守るために、古巣であるCVCキャピタル・パートナーズと連携して、クビを取りに来た株主を排除しようということです。ですから、「将来、東芝をこういう方向にもって行こう」というような戦略があって、そのために買収をしてもらおうということではないのです。
飯田)そうなのですか。
須田)そうなのです。そのことを前提に置かないと、この買収計画や買収提案の本質は見えて来ません。
メインバンクがない東芝
須田)もう1つ言えば、東芝のウィークポイントはメインバンクがないということです。
飯田)もはやないのですか。
須田)かつては三井住友銀行がありました。車谷さんは、三井住友銀行出身で、バンカーなのです。事業会社の経営に長く携わって来たということではなく、銀行員ということで東芝に来たのです。ところがいろいろ問題がありまして、メインバンクからは縁切りにされてしまった。メインバンクがなく株主と対決・対立をしているなかで、最後にすがったのがCVCだったというストーリーです。
飯田)車谷さんご自身もCVCの日本法人の会長を、2017年からおよそ1年間務めていた。そういうことになると、今回の買収に関して言えば、権利関係的に大丈夫なのですか? 買収される側の社長が買収する側の関係者だったということになりますよね。
須田)その辺りも非常に不透明感があるのです。そういう点で言うと、東芝もいよいよ終わりなのかなという感じがしますけれどね。
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