文在寅政権~不動産スキャンダルが致命傷になったその背景
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月12日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。ソウル・釜山両市長選で与党候補が敗れた韓国情勢について解説した。
韓国情勢~ソウル・釜山両市長選で与党候補が敗れる
2022年3月にある韓国大統領選の前哨戦と位置付けられる、ソウル・釜山両市長選は7日、投開票が行われ、両選挙とも与党候補が敗北し、保守系野党候補が勝利した。
飯田)ソウル、釜山の市長選挙が行われて、与党惨敗という形でした。
須田)ソウル市長というのは、将来の大統領有力候補ですから、誰を選ぶのかというところは、大きな試金石になります。いまの文在寅政権の成り立ちは、韓国内では、「一種の革命」と政治的には位置付けられて来ました。朴槿恵政権末期に「ろうそくデモ」という10万人規模の大きなデモがソウル市内で行われて、その流れのなかで文在寅政権が誕生した経緯があります。その文在寅政権が誕生する原動力になったのは、30代~40代の層なのです。それまではどちらかというと無党派層に近く、政治のことよりも自分の生活の向上を優先するような層が原動力になって、一気に文在寅支持に動いたのです。
投資に熱心な韓国人~文在寅政権の岩盤支持層
須田)政治思想ではなく、韓国の人には日本人と違う感覚があるのです。投資のことを考えると、ウォンは完全にドルと連動している通貨ではないですか。日本のようにマーケットでプライスが決まって行くようなものではなく。ですから、為替の動向に関して敏感なのです。通貨が動くことによって、自分の資産が増えたり減ったりする。株や為替や不動産投資に熱心なのです。自国の通貨が弱いから。
飯田)なるほど。現物で持っておきたいと。
不動産スキャンダルで支持層が一気に離れた
須田)そんななかで、政治的な安定や経済的な安定ということに加えて、それまでの流れから言うと、一部の人が大きく儲けるというような、格差是正等の不公平感というものがありました。あるいは貧富の差の是正というようなことがあり、それが一気に文在寅政権支持に結び付いて行ったのです。ところが今回、住宅投資問題があった。
飯田)不動産スキャンダルが出て来ていますね。
須田)それに対して猛烈な反発が出てしまったのです。
飯田)ではその岩盤の支持層がいま離れつつあると。
須田)そこがポイントですね。
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