ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月20日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。大阪府が緊急事態宣言の発出を政府に要請するというニュースについて解説した。
大阪府が緊急事態宣言要請へ
大阪府の吉村知事は4月19日、新型コロナ対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令を政府に要請する考えを記者団に明かした。20日に対策本部会議を開き、正式に決定する。また東京都も、今週中にも緊急事態宣言を要請する方向で調整に入っている。
飯田)加藤官房長官は昨日(19日)の会見のなかで、大阪の緊急事態宣言については、「要請が仮に出されれば、新型コロナ対応の特別措置法改正時の付帯決議に書いてあるように、速やかな検討を行う必要がある」と述べております。大阪は感染者数が伸びているということで、緊急事態宣言の要請へと。「何ができるのか」ということが新聞などで解説されていますけれども、飲食店への休業要請ができる、休業についても命令ができるというようなことですね。
世界の「非常事態宣言」と日本の「緊急事態宣言」の違い~私権制限の範囲が違う
高橋)そうですね。世界的に考えると「非常事態宣言」という表現なのです。日本では緊急事態宣言で、なぜ違うのかと言うと、私権制限の範囲がまったく違うのですよ。
飯田)権利ですね。
高橋)世界においては非常事態宣言が普通で、例えば「外出したら罰金」ということなのです。でも日本にはそういうものがないでしょう。
飯田)そうですね。
高橋)日本は緊急事態宣言で「大変だ、大変だ」と言うのだけれど、海外から見ると非常事態宣言というのが普通だから、「ほとんど何もしていません」というようなレベルになってしまう。コロナの話なのだから、それはそれでいいという人もいるわけです。「経済を全部止めてやる必要はないのではないか」という意見もあります。特に日本は感染者が増えたと言うのだけれど、世界のなかで、欧米との比較でグラフを出したら、日本はかなり下の方です。
飯田)世界で見ると。
ワクチン接種をしたイギリスの現状と同じくらいの状況の日本
高橋)イギリスはワクチンを打ったから感染者数が減ったと言われますが、いまでも1日2000人というレベルです。人口比率で考えると、イギリスは日本の半分くらいだから、そこまで大きな差ではないのです。イギリスから見たら「それが何なの?」と思うくらいの低さなのです。
飯田)ワクチンで抑えたイギリスと、日本のいまの現状が同じくらいと。
高橋)「日本は何をやっているのだ」と聞かれても、「いまは緊急事態宣言で、非常にゆるやかなことをやっています」という説明しかできないのです。ある意味で、これはいいことなのかも知れませんよ。このくらいで済んでいるのだから。
飯田)このくらいで収まっていると。
感染者抑制よりも医療の供給能力の方へ力を注ぐという考え方もある
高橋)日本が本格的に考えるのならば、「緊急事態宣言」ではなく、「非常事態宣言」のようなものを考えてからやった方がいいかも知れません。
飯田)「非常事態宣言」を。
高橋)「感染は少し増えてもいい、その代わり医療が崩壊しなければいい」と割り切ることもできるのです。感染者抑制に力を入れるというより、医療の供給能力の方へ力を注ぐという考え方があります。
緊急事態宣言が出ても同じことの繰り返しだけ
高橋)発出された場合、緊急事態宣言は3回目ですよね。その度に同じことをしているわけでしょう。
飯田)正直、去年(2020年)のこの時期に緊急事態宣言が出されていましたけれど、原稿を見返すとまったく同じことが書いてありますね。
高橋)同じようなことを繰り返しています。去年の補正予算のときに、大きなことを安倍さんに提言して、安倍さんは予備費で10兆円を積んでいろいろやったのですけれどね。
飯田)やりましたね。
高橋)当時想定していたのは、地方の公立病院にコロナ専用病床のプレハブの建物がたくさんできるのかと思っていました。
飯田)なるほど、予算が出たからそれを使って。
高橋)ぜんぜん聞こえて来ませんけれどね。中国であったでしょう。
飯田)武漢ですね。突貫工事で新たな病院を建てました。
高橋)あんな感じのものをイメージしていたのですけれどね。
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