東芝総会問題~「三井グループと政治」と言う側面が出て来る可能性も

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月14日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。東芝が定時株主総会に提案予定の役員候補案の変更を発表したというニュースについて解説した。

東芝総会問題~「三井グループと政治」と言う側面が出て来る可能性も

東芝本社が入るビル近くに掲げられたロゴ=2021年4月14日午後、東京都港区 写真提供:産経新聞社

定時株主総会に提案予定の役員候補案を変更

東芝は6月13日、25日の定時株主総会に提案予定の役員候補案を変更すると発表した。2020年の株主総会をめぐって、外部弁護士が「公正に運営されたものとは言えない」とする調査報告書を公表したことを踏まえた措置で、社外取締役ら4人が退任する。

飯田)この報告書は、経済産業省との関わり合いがかなり指摘されています。一部株主に対する働きかけが経産省からもあったのではないかという話です。

須田)令和の時代になって、「いまどきこんなことをやっているのか」と驚きました。経産省の担当セクションは必須だと思ってやったのでしょうけれども、経産省のOBや現役官僚に聞いても、みんな愕然としているのが実態ではないでしょうか。しかも、働きかけをしたというような穏当な言い方をよくされるのですが、恫喝です。

飯田)恫喝。

須田)改正外為法という法律に基づいて、「もし不測の事態、問題が起こった場合、あなた方を調べますよ」ということをやっているわけですから。言われた方としては、法律を運用する側から言われたから、恣意的に裁量的に運用されたら、たまったものではないということです。行動が規制されたのならば、経産省のやり方は大問題だと思いますね。

「三井グループと政治」と言う側面が出て来る可能性も

飯田)経産省からしてみたら、機微に関する技術を持っているから、そういうことをやるということなのですか?

須田)そこがポイントなのですよ。そういう点で言うと、東芝は原発の技術を持っていて、国策企業という側面が色濃くありますので、国益という観点から経産省の介入があったのか、それとも人的な人間関係から、個人的な問題としてこれをやったのか。後者であれば、経産省は大きなスキャンダルになるのだろうと思います。

飯田)人的な人間関係からであれば。

須田)そういう点で言うと、経産省もしっかりと内部調査をするべきだと思うのですが、いまのところ、そのような動きが聞こえて来ません。あくまで東芝という個別企業の問題として片付けてしまっているので、きちんと経産省、政府も調査機関をつくって調査しなくてはいけないし、ここでは取り上げていませんが、当時の官房長官だった菅さんにも働きかけをしたというような話も報告書には出て来ているのです。

飯田)当時の社長である車谷さんが報告に行ったという話が出て来ていますよね。

須田)ええ。もともと車谷さんという方は、三井住友銀行の副頭取で三井側の人なのです。調べて行くと、三井グループのなかでも「プリンス」と言われた人で、三井グループ全体のなかでも、エリート中のエリートだったということです。グループを挙げて車谷さんの支援体制が組まれていたという状況があるのです。その点を考えれば、下手をすると「三井グループと政治」という側面が出て来る可能性があります。

飯田)そこまで行くと、昔の話の続きのように見えて来ますね。

須田)もしそこに不透明な関係があるとすれば、場合によっては政権も大きなダメージを負いかねないことになります。ですから、この報告書が出て来た、この問題が出て来たなかで、確かに経済面では新聞各社で大きな扱いをしたのですが、そこではないところで少し扱いが小さいのではないかと思います。

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