カルロス・ゴーン被告が逃れたレバノンが「世界最悪の経済危機」に
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月13日放送)に地政学・戦略学者の奥山真司が出演。カルロス・ゴーン氏が国外逃亡したレバノンの現在の危機的状況について解説した。
レバノンの経済危機
世界銀行は、レバノンで起きている壊滅的な不況は、19世紀半ば以降に起きた経済崩壊のトップ3に入る可能性があると述べている。
飯田)こんなことになっているのですか。
奥山)カルロス・ゴーン被告の国外逃亡を助けたとして、マイケル・テイラー被告と息子のピーター被告の裁判をやっています。日本のニュースは新型コロナやオリンピックの話に集中していますけれど、こんなところでも、ゴーンさんの話は進んでいます。ただ、ゴーンさんの話とは関係なく、海外のニュースを見ていると、ゴーンさんが現在住んでいるレバノンはとんでもないことになっているのです。
飯田)レバノンが。
奥山)ゴーンさんが逃げたのは2019年12月です。
飯田)新型コロナ感染拡大の直前ぐらい。
奥山)そのあとに彼はレバノンに逃げたということなのですけれど、カルロス・ゴーンさんとは関係なく、「レバノンはいま大変なことになっている」というニュースが出て来ています。「ゴーンさんはいま、大変なところにいるのだ」ということで、これを取り上げました。
ポンドが実勢レートで価値が9割下落
奥山)ニュースを見ると、とんでもなく経済が落ち込んでいるということがわかりました。レバノンはポンドを使っているらしいのですが、このポンドが実勢レートで価値が9割下落しているのです。
飯田)9割下落。
奥山)9割下落。とんでもないことになっていますよね。特にガソリンや燃料がほとんど輸入できないということです。ガソリンを入れるために、平均4時間待たなければならない。あまりに待っている時間が長いので、ガソリンを入れる間にみんなウーバーイーツで頼んで。
飯田)お昼の時間になってしまうと。
奥山)途中で飲み食いしているというくらいの状況らしいのです。ガソリンスタンドでイライラが募り、銃撃事件がここ2ヵ月で6件起こっているのです。
19世紀半ば以降に起きた経済崩壊のトップ3の1つに数えられるほど
奥山)金融危機に見舞われていて、19世紀半ば以降に起きた経済崩壊のトップ3の1つに数えられる可能性があるとまで書かれています。
飯田)内戦をやっていたジンバブエで、すごいインフレが起こってしまったという話は聞いたことがありますが。
奥山)ガム1つに1兆円。
飯田)1兆ジンバブエドルのような。
奥山)ありましたね。あれくらいの状況になりつつあるようです。
政治も機能しなければ燃料もない
飯田)レバノンのなかは政治の空白が続いていましたが。
奥山)内戦も行われていて、20年くらいやっていました。実際に政治がまったく機能せず、民族や部族で担当したりして、何とか政府の体は保っているのですけれど、お互いに責任を押し付け合っています。「あいつは何もやらないからダメだ」ということを言い合って、政治がまったく機能していない状況のなかで、燃料もないと。そんななかにゴーンさんはいまいるわけです。
飯田)そうですね。
奥山)いまレバノンは食料もほとんどないという大変な状況ですから、ゴーンさんが帰って来てくれたら、日本人は歓迎しますと言いたいですね。
飯田)一応寝るところとメシは出るぞ、という話ですよね。
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