レバノンが債務不履行~危うくなるカルロス・ゴーン氏の立場

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月9日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。債務不履行に陥るのが避けられない状況にあるレバノンの財政危機について解説した。

逃亡先のベイルートで記者会見するカルロス・ゴーン被告=2020年1月8日(ゲッティ=共同) 写真提供:共同通信社

レバノンがデフォルトへ

深刻な財政危機に陥っている中東レバノンは、9日に支払期限を迎える12億ドル(約1260億円)の外貨建て国債の支払いができず、デフォルト(債務不履行)に陥るのが避けられない状況となった。

飯田)レバノンというと、カルロス・ゴーン被告の逃亡先というイメージがありますが、経済的にも不安定なのですね。

須田)もともと借金漬けの国で、GDPの170%にも及ぶ借入国債発行がある。問題なのは、財政基盤が脆弱な国にとって、国債発行がすべて外国通貨建てだというところがいちばんのポイントです。具体的に言えば、ドル建てです。レバノンにとっての外国人投資家に資金繰りを依存しているため、国内の経済や為替レートが下落するとどんどん売りに出てしまう、あるいは国債を引き受けてくれないため、資金ショートに陥るということです。

レバノンの首都ベイルート(レバノン-Wikipediaより)

原因は貧富の格差による二極化

須田)なぜ経済が一転して不安定になったのかというと、二極化です。貧富の格差の拡大ということで、昨年(2019年)10月に大きなニュースになりましたが、政府がスマートフォンアプリに対してたった数円を課税しようとして、反政府デモが吹き荒れたという一件がありました。

飯田)あれはアプリへの課税だったのですね。

須田)これはたまたまきっかけであって、それまでも二極化の問題はありました。圧倒的な数の経済的困窮層が、不満をずっと溜めて来たという流れがあるのです。それに一気に火が付いたのが、あの一件です。なぜ貧富の格差が拡大してしまったのかというと、ひとことで言ってしまえばグローバリズムなのです。南米チリで起こっている、地下鉄料金の値上げを端に発した暴動デモとまったく一緒の構図にあるのです。

飯田)グローバリズムで富める人はもっと富んで行くという構図は、アメリカもそうであるし、途上国でもそうです。そこでお金を儲けようというところには、チリもそうですけれど、中国の影が見え隠れする。

カルロス・ゴーン被告と妻のキャロル・ナハス =2020(令和2)年1月14日、ベイルート(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

反グローバリズムの動き~その権化の1人であるゴーン氏に批判

須田)今回のレバノンのデフォルトの件で、頭に入れておかなければならないのは、間違いなく反グローバリズムの動きであるということがいちばんのポイントだと思います。

飯田)そういう流れで言うと、まさにグローバリズムの権化の1人が、カルロス・ゴーンさんということになるではないですか。そうすると、レバノン国内でも「なぜあんなやつを匿って優遇しているのか」という論が出てもおかしくないですよね。

須田)既に出ています。ゴーン氏を受け入れたことは、レバノンにとっても超法規的な措置なのです。「お金持ちを特別扱いするな」という指摘も、レバノン国内にはあるのです。

飯田)ゴーンさんも居づらくなるかも知れませんね。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

IMFの管理下での改革~ゴーン氏の立場はどうなるのか

須田)レバノンは今回のデフォルトを受けて大きく揺らいで行くでしょうし、間違いなく国際通貨基金(IMF)の管理下に置かれることになると思います。IMFの主導のもと、さまざまな改革が進められて行くなかで、ゴーンさんがどういう立場になるかというのは大きな注目だと思います。

飯田)レバノンには、イランと関係があると言われているヒズボラという組織があって、そこも政権に絡んで来ている。IMFの介入に関してヒズボラは反対だということですが、これは政情不安につながるかも知れないですね。

須田)とは言っても、誰が資金を出すのか。資金ショートを起こしているのですから、とりあえず輸血をして資金繰りを回さないと、政府が機能不全に陥ってしまう。それをIMFの管理下に置かないのであれば、どこからか資金を引っ張って来なければならない。誰が出し手になるのかということがポイントになりますけれども、いまのレバノンに対して、そんなに優しい資金の出し手はいないだろうと思います。

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