各国が声を1つにして中国をけん制~日本が「日米台戦略対話」に参加することの意義

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月30日放送)に外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が出演。日米台で初めて開催されたオンライン戦略対話について解説した。

1日、中国・北京の天安門広場で開かれた中国共産党創立100年を記念する式典で演説し、拳を突き上げる習近平党総書記(国家主席)[中国政府のニュースサイト「中国網」の中継動画より]=2021年7月1日 写真提供:時事通信

日本とアメリカ、台湾が初のオンライン戦略対話を開催~安倍前総理も参加

超党派の国会議員でつくる「日華議員懇談会」は7月29日、アメリカ、台湾の議会関係者と初の日米台戦略対話をオンラインで開催した。参加した懇談会顧問の安倍前総理大臣は中国を念頭に、「南シナ海と東シナ海で一方的な現状変更の試みが行われていることを懸念している」と強調。また香港などでの中国による人権弾圧についても触れ、「香港で起こったことが決して台湾で起こってはならない」とけん制した。

飯田)折しも、李登輝元総統が亡くなって1年というタイミングでもあります。

宮家)ようやくここまで来たかという感じですね。超党派の国会議員でつくる日華議員懇談会の動きです。アメリカと台湾については、アメリカ議会に強力な台湾ロビーもあるし、それから国交正常化をした72年以降、確か79年だったと思いますが、国交正常化をすると同時にアメリカは「台湾関係法」という法律をつくりました。アメリカはそれまでは台湾と安全保障条約を結んでいたから、国際法上、台湾を守る義務があったわけです。

アメリカにはあって日本にはなかった「台湾関係法」~ここで日本の議会も入ることは新しい傾向になる

宮家)それは国交がなくなれば失効するのですが、アメリカはその後も国内法で「台湾を守る」とは言わないけれども、台湾が「自分で自分を守れるように支援する」法律をつくっています。その台湾関係法に従って、アメリカと台湾の関係を進めるということは政策として決まっているのですが、なぜか日本では「台湾関係法」をつくらなかったのです。そういう意味でも、日本の国会議員はようやくここまで来たという思いがします。台湾とアメリカの両議会は非常に近いけれども、ここで日本の議会も入るということは、新しい傾向として、いいことだと思います。

政治 日米台戦略対話 中国への問題意識を共有 安倍前首相、中国当局による人権侵害に懸念=2021年7月29日午前、国会内 写真提供:産経新聞社

国際的な常識のもと、各国が声を1つにして中国をけん制

宮家)「喧嘩をしろ」と言っているわけではないのですが、やはり中国の動きが、尖閣、台湾だけでなく、国際的にも居丈高で強硬で妥協しない態度を示している。それは違うでしょう、力による現状変更はダメでしょう、という観点から考えるならば、「これ以上はダメだよ」と「ピシッ」と言わなくてはいけないときもあるかも知れない。私はいい傾向だと思います。

飯田)むしろ手を出させないために。

宮家)そうです。抑止をするためです。争いを回避するために国際的な常識があり、それをみんなに募って声を1つにして、中国なり関係者なりに聞いてもらうことは大事だと思います。なかなか行政府の部分は難しいですから、まずは議会からということだろうと思います。

李登輝元台湾総統の1周忌に合わせたタイミング

飯田)29日に産経新聞が報じていましたが、安倍さんが「7月30日の李登輝さんの1周忌に台湾へ行ってお墓参りをしたい」という意向があるようでしたが、7月30日はきょうですね。この辺のタイミングも意識したのでしょうか?

宮家)そうかも知れません。あれからもう1年経ってしまったのですね。彼のもとでずいぶん台湾は変わりましたからね。

飯田)タイミングとして、南シナ海にイギリスの空母「クイーン・エリザベス」を中心とした空母打撃群が入って来るというのも、まさにこのタイミングなのですね。

宮家)すべてを誰かがコーディネートしているわけではないでしょうけれども、みんながそういう問題意識を共有するようになったことは事実です。それが自然発生なのか、誰かがシナリオを書いたのかは知らないけれども、やはり起こるべくして起きていると見るべきではないでしょうか。

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