ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月8日放送)のゲストに河野太郎行政改革担当大臣が出演、日本の未来についての提言をテーマとしたインタビューに回答した。
なお、このインタビューは菅総理が総裁選出馬断念を表明する前に行われたもの(9月2日収録)で、ここでは新型コロナワクチンの「ブースター接種」、省庁や国会でのテレワークについての話が中心となっている。
「ブースター接種」について
飯田)さまざまな形でワクチンが広がって来ております。3回目の接種等々も取り沙汰されていますが、この辺りもやって行くということになりますか?
河野)アメリカでは2回接種が終わった8ヵ月後に、「ブースター」と呼ばれる3回目の接種ができるようです。日本で言いますと、例えば高齢者の接種が本格化したのがゴールデンウィーク明けで、2回目の接種が6月の頭に終わったとします。その8ヵ月後というと、2022年2月くらいから高齢者の3回目接種が始まって行くということになるのだと思います。
飯田)来年の2月くらいから。
河野)必要なワクチンはすでに確保しておりますので、厚労省の判断で3回目接種をやるかやらないか決める。やるとしたら、いつからやるのか。2021年にファイザーを2回打った人は、3回目もファイザーなのか。あるいはワクチンの種類が変わるのもいいのか。そういうことも厚労省の方で検討してもらっておりますので、検討結果が出次第、いろいろなことが動かせるような準備は整えております。
テレワークの日常化~霞が関の仕事もテレワークにするべき
飯田)このインタビューもリモートで行っておりますが、8月の半ばくらいから、大臣はほとんどの仕事をリモートに移行されています。ここまでやって来ていかがですか?
河野)特に問題になるようなことはないと思います。これだけ人流抑制のため、民間にテレワークのお願いをしておりますので、霞が関もしっかりとやらなければいけないと思いますし、霞が関で「やれ」と号令をかける以上、大臣が率先してやるというのは大事だと思います。官邸の会議も、総理、官房長官だけが官邸で、あとはオンラインという方向になりつつあります。
飯田)官邸の会議でも。
河野)東京に一極集中していた状況が、2020年以降、オンラインのおかげで東京から外へ出る方が増えて来ました。そうすると、全国いろいろなところでさまざまな職業の方が、東京にいる必要がない、あるいは大阪にいなくてもいい。どこでも仕事ができるということになると、東京の高いところにオフィスを構えなくてもいいということになります。
飯田)そうですね。
河野)スタートはコロナでしたが、今後はコロナと切り離して、テレワークを日常的にできるということ。そしてテレワークが日常的にできるのであれば、霞が関という名称がどうなるかわかりませんが、役所が東京の霞が関に物理的に集まっている必要はないのではないか。私は消費者庁を徳島県に移そうということで、一生懸命に旗を振りましたが、いまや消費者庁は北海道から沖縄まで、どこで勤務していてもできるという状況にあると思います。
飯田)どこで勤務してもできる。
河野)子育てにもいい影響が出ると思いますし、介護が必要だというときに、ご両親の下で介護をしながら霞が関の仕事もできるということになれば、いい人材を集めるという視点で考えても、率先してやって行くメリットは大きいと思います。
人事院が「霞が関の働き方改革は急務で、霞が関の状況はかなり危機的」と言う認識を公に共有~国会もテレワークで行うべきではないかという議論も
飯田)霞が関の人に話を聞くと、いまは国会が閉まっていますが、「国会が開くと基本的に人は出て来ないといけないし、レクチャーなどで張り付かなければいけない。テレワークなんかできない」とおっしゃる方もいます。この辺りも変えて行かなければならないでしょうか?
河野)今度の川本新人事院総裁が、国会にも霞が関の働き方改革について、切にお願いをするということを言い始められました。これまで何となく人事院は、国会関係はスルーしていたのですが、人事院も、「霞が関の働き方改革は急務で、霞が関の状況はかなり危機的だ」という認識を公に共有してくれるようになりました。その人事院総裁が衆議院議長、参議院議長に会いに行って、この問題を正式に取り上げるということを意見交換されましたので、国会でもテレワークができるように、あるいは国会そのものも、コロナ禍では本来テレワークをしなければいけないのではないかという議論もあります。
飯田)国会も。
河野)先日、内閣委員会で閉会中審査があったのですが、そのときに私の方から、オンラインで答弁は可能ですかとボールは投げました。そのときは「時期尚早」ということでしたが、しっかり1歩1歩前に進めるようにして行きたいと思います。
出馬について明言しない河野大臣
飯田)河野行政改革担当大臣のお話をお聞きいただきました。総裁選への出馬が取り沙汰されておりますけれども、結局まだいまのところは。
数量政策学者・高橋洋一)新聞ではみんな「出る」と言っていますが、本人は何も言っていないのですよね。麻生さんとの距離感を測っているのではないですかね。
飯田)連日会っているという報道もされておりますが。
高橋)それは麻生さんのところの了解を求めているのか、そうではなくても出るのか。どちらにしても出る気がしますけれども。
飯田)派閥のなかのベテランの方々には、国家観であるとか、天皇制に関するところが引っかかっているのではないかと言う方もいます。
高橋)女系の話はよく出るのだけれども、河野さんの発言を見ていると、「何の手立てや手段もなくて、皇室が途絶えてしまうならば仕方がない」という言い方なのです。
飯田)完全にそれで行くというような発言ではない。
高橋)それで、菅さんが行った業績の1つなのだけれども、旧宮家の男系男子の皇籍復帰という道を拓いているのです。
飯田)有識者会議がある意味、結論を2つ出して、そのうちの1つはまさにいまおっしゃったような案。
高橋)そうすると、河野さんの言うところの「何の手立てもない」という状況ではないのですよね。手立てはあるということなので、河野さんを「女系天皇容認論者」と言うのは、正しくないと思います。
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