現実主義者として自民党に向かう立憲民主党・枝野氏 ~野党再編から1年

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ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(9月17日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。再編から1年が経った野党の現状と今後の展望について解説した。

現実主義者として自民党に向かう立憲民主党・枝野氏 ~野党再編から1年

枝野氏、地方行脚を再開  記者会見する立憲民主党の枝野代表=2021年3月28日午後、松山市 写真提供:共同通信社

野党再編から1年~その成果と今後の展望を考える

立憲民主党と国民民主党は9月15日、それぞれ結党から1年を迎えた。菅総理大臣の退陣表明を受けた共同通信社の緊急世論調査で、内閣支持率は30.1%まで下がったが、政党別の支持率は立憲民主党が12.3%、国民民主党は0.8%に留まり、自民党の46.0%に及ばない状況となっている。

新行)旧立憲民主党と旧国民民主党の一部が合流して、いまの立憲民主党ができたのが、2020年9月です。

鈴木)名前が同じだから、1年と言われると、「もっと前からあった」と思うのだけれども。おっしゃるように国民民主などと合流して、もう1回党名をどうするかというときに、「立憲民主党で行こう」ということになった。新しくできた「立憲民主党」の結党から1年ということです。

2017年に立ち上げた最初の立憲民主党の際は理想を掲げて支持を得た枝野氏

鈴木)2017年に、最初の立憲民主党を枝野さんが立ち上げた。そのとき、ニッポン放送の選挙特番に出させていただきました。枝野さんは当時、希望の党の合流から弾き出され、追い込まれて、仕方なくつくったのです。でも、多くの支持を得た。

新行)そうでした。

鈴木)野党として変な合流にも参加せず、筋を通したからです。枝野さんはリアリストなのです。現実主義者というか。だから少々、自分の主義主張とは違っても、「いまはこうするべきだ。それがベストだ」と思えば、そこに向かって動く人なのです。絶対に合わないような仲の悪い相手でも、「現実的に組んだ方が得だな」と思ったら、「パッ」と組める。

新行)リアリストである。

鈴木)そのリアリストの枝野さんが、あのとき何と言ったかというと、「少し考え方を変えなければいけないかも知れない。リアリズムではなく、筋を通したらこれだけの国民が支持してくれた。現実主義ではなく、理想をしっかり押さえる、そういうことを学びました」というような話を、ニッポン放送の番組で言ったのです。

再びリアリストに戻り、野党共闘へ

鈴木)枝野さんは理想主義に走って、変わるのかなと思っていたのだけれど、1年前に国民民主と合流しました。党首選挙があったでしょう。そのとき、私はネット番組で司会をしていました。そこで枝野さんは、「最近また自分はリアリストと言うようにしている」と私に言ったのです。

新行)またリアリストに。

鈴木)最初に立憲を立ち上げたときは、理想が大事だということで貫いた。「嫌な相手、違う相手とはもう組まないで行くのだ」ということでやって来たけれど、やはりここへ来て、2大政党制を目指すのであれば、多少意見が違っても野党が1つになり、自民党と戦わなければいけない。「そういう路線に自分は行くのだ」と私に言ったのです。そのリアリズムをどこまで貫けるのか。

新行)リアリストとして。

鈴木)いま、自民党総裁選が盛り上がっていて、野党の支持率が下がっています。自民党に何となく国民の関心が向かっている。菅さんは支持率が低かったので、野党は菅さんで選挙がやりたかったのです。しかし、その菅さんが退陣して、自民党が少し元気を出して来ているということで、最初はショックを受けていました。

新行)これはまずいぞと。

鈴木)元気になって来ているから、「野党が1つになって戦わなければ、自民党とやりあえない」という空気になって来た。そして野党の選挙協力、統一候補が進んでいるのです。いままでは「共産党とは組みたくない」と立憲が言ったりすることが多くて、うまく選挙協力できなかったけれど、自民党が強くなったら、共闘を組むしかないではないですか。

国民民主党~総選挙は今後の方向性を決める節目となる

新行)一方で、国民民主党についてはいかがですか?

鈴木)国民民主党は玉木さんが我が道を行っています。ただ、政策的なものはいろいろあるのだけれど、選挙に関しては玉木さんも現実主義的なところがあるから、選挙協力のようなものはできる限りするでしょう。彼は「協力」とは言わないのです。「棲み分け」という表現をします。「協力」というのは握手して仲よく行こうということだけれど、そうではなく、「ここはお互いに紳士同士で棲み分けましょう」と。実質的には同じなのだけれど、表現は違う。

新行)協力ではなく、棲み分け。

鈴木)国民民主が今回の選挙で、どのくらいの勢力が残るかによって、次の方向性が決まって来ます。国民民主にとって、今度の総選挙は節目になると思います。

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