党内で浮く「河野・石破・小泉」3人の“つながり”、果たしてその調整力はいかに

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ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(9月15日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。石破元幹事長が立候補を見送り、細田派が支持する候補者を一本化しないなど、新たな動きが出て来た自民党総裁選について解説した。

党内で浮く「河野・石破・小泉」3人の“つながり”、果たしてその調整力はいかに

自民党総裁選への出馬を断念し河野太郎行政改革担当相への支持を表明する石破茂元幹事長=2021年9月15日午後、国会内 写真提供:産経新聞社

総裁選、石破氏立候補見送り~細田派は一本化せず

9月17日に告示される自民党総裁選挙で、動向が注目されていた石破元幹事長は自らの立候補を見送り、河野規制改革担当大臣を支援する見通しとなった。一方、党内最大派閥の細田派は、支持する候補者を一本化せず、高市前総務大臣と岸田前政務調査会長の2人を支持することを決めた。

政治家に必要な3要素~政治理念・政策実行能力・コミュニケーション能力

新行)それぞれの派閥に所属する議員の動きや、若手議員の動きも注目されますが、一方で3人の候補者それぞれの政策も発表されています。

佐々木)政治家に必要な素質は3つあると思います。1つは政治理念で、どういう哲学なのかということ。2つ目が政策実行能力。党内をきちんと調整できるか、官僚を抑えられるかなど。そして、3つ目がコミュニケーション能力です。

新行)政治家に必要な3つの要素。

佐々木)菅さんは、政策実行能力は極めて高かったと思います。ワクチン接種を進めたり、携帯電話料金を値下げしたりしました。ただ、理念が見えにくかったのと、残念なことにコミュ力が圧倒的に低かった。あれだけいい政策をやっていたのに、評価されなかったのはかわいそうだったと思います。

政治理念が見えにくい河野氏

佐々木)その点で言うと、河野さんは圧倒的にコミュ力が強い。ブログもやっているし、ツイッターのフォロワー数も200万人以上います。

新行)そうですね。

佐々木)ただ、河野さんの政治理念はどうなのかが見えにくい。政策実行能力については、例えばワクチンのロジスティクスなど、1つ1つの政策実行はやっています。しかし、全体として、どういう理念で政策をしようとしているのかが見えにくいと思います。

政治理念はしっかりしている高市氏

佐々木)高市さんはその点で言うと、理念はしっかりしています。いいか悪いかは別にしても、安倍政権の継承で、サナエノミクスと言っていますけれども、アベノミクスをやりますと。しかもプライマリーバランスを棚上げにして財政出動をしっかりやると言っている。これは経済通の人から見ると、かなり評価されています。

新行)経済通の人から見ると。

佐々木)タカ派的なところはあるけれども。安全保障政策としては、北朝鮮が巡航ミサイルを開発して、敵基地攻撃能力が必要だと言われたところに、そこはちゃんとやりますと言っている。右寄りだと言われつつも、政治理念が明確なところは評価すべきだと思います。

党内で浮く「河野・石破・小泉」3人の“つながり”、果たしてその調整力はいかに

自民党総裁選のインタビューに臨む岸田文雄前政調会長=2021年9月14日午前、国会内 写真提供:産経新聞社

岸田氏が「アベノミクスは新自由主義だったので、新自由主義から脱却します」と言う謎

佐々木)岸田さんは、外務大臣を長い間やっていたという経験はあるけれども、経済政策に関して言うと、「アベノミクスは新自由主義だったので、新自由主義から脱却します」と言っています。しかし、アベノミクスが新自由主義だと言っているのは、朝日新聞と立憲民主党だけではないでしょうか。

新行)アベノミクスが新自由主義だと言っているのは。

佐々木)小泉政権は確かに新自由主義でした。竹中平蔵さんを呼んで来たり。でもアベノミクスに関して言うと、財政出動、金融緩和を積極的にやって、大きな政府を執行していたので、新自由主義ではありません。新自由主義というのは、政府の財政出動を減らして、小さな政府をやり、自由な市場で企業が勝手にいろいろなことをやって、経済活動してくださいと。企業が大儲けすれば、それでトリクルダウンする。要するに富が滴り落ちて貧困層に回って来るというのが新自由主義なのです。

新行)トリクルダウン理論ですね。

佐々木)それはアベノミクスとまったく反している。安倍さんも国会答弁で、「私がやっているのは新自由主義ではない」と、「トリクルダウンではないことをやっているのだ」と言っています。その政権にずっといた岸田さんが、なぜ「新自由主義からの脱却」と言っているのか、謎なのです。ここの論点があまりメディアで論じられていないのが不思議です。

新行)あまり論じられないですね。

佐々木)テレビを観ると、「二階さんはどう動くのか」とか、そういう政局話をやっているのだけれども、「それぞれの政治哲学がどういうものなのか」ということをきちんと論じて、実行能力があるかどうかについて話して欲しいなと思います。

河野氏・石破氏・小泉進次郎氏の3人では自民党で浮いてしまう

佐々木)河野さんはコミュ力があり、好感度も高くて、個人的には好きな政治家ですが、いま一緒に手を握っているのが石破さんと小泉進次郎さんでしょう。「この3人がつながって党内で浮かないのですか」と、ある自民党担当の記者に聞いてみたら、「まあ、浮きますよね」と言っていました。それはそうですよね。

新行)自民党内で。

佐々木)河野さんがもし総裁になり、首相になったとしたら、果たして党内を調整することができるのかというところは、未知数なのかなと思います。原発問題も棚上げしていますが、今後どうするのかというのも、よくわからないところもあり、まだ微妙ですよね。

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飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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