強く感じる甘利氏への配慮 ~岸田文雄総裁の党役員・閣僚人事
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月4日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。岸田文雄氏が新たな総裁に選出された自民党総裁選について解説した。
1回目の投票で岸田氏が1位に
自民党総裁選は9月29日に投開票が行われ、岸田文雄氏が新たな総裁に選出された。
飯田)自民党総裁選で岸田さんが決選投票に勝ったという形になりましたが、どうご覧になりましたか?
須田)1回目の投票で1票差とは言え、河野さんが2位に沈んだというのは驚きでした。事前に河野陣営に取材した際、議員票は最低でも100票は行くだろうと読んでいたのですが、結果的に14票減らしたことになります。これがどこに回ったのかということが非常に興味深いです。そうなると、決選投票は消化試合のようなものになってしまい、事実上、1回目の投票で岸田さんに決まってしまったのだと思います。
飯田)党員票も全体の44%ぐらいを河野さんが獲りましたが、これも当初は6割ぐらい獲るのではないかと言われていました。
須田)そうですよね。いずれにしても1票差で岸田さんが勝ったということで、正当性というところでも、あとから何か言われるようなことはないと思います。
甘利氏への強い配慮 ~梶山弘志氏を幹事長代行に
飯田)それを受けての組閣・党人事。まず、党人事の方は正式に決まっていますが、甘利さんが幹事長。政調会長が高市さん、総務会長が福田達夫さん。この顔ぶれをご覧になってどうでしょうか?
須田)全体を見て、大手のメディアは「派閥の役割は溶解した」というような言い方をしていましたが、執行部の顔ぶれ、組閣の顔ぶれを見ると、そんなことはなく、派閥の影響が強く出ています。今回の3A、安倍さん、麻生さん、甘利さんのなかでも、岸田さんの甘利さんへの配慮を強く感じます。
飯田)甘利さんへの配慮が。
須田)甘利さんが幹事長に就いたということだけではなく、甘利さんの子分と言われている、梶山弘志さんが幹事長代行に就任しました。自民党の幹事長という肩書には、幹事長の他に3つと言ったらいいのでしょうか、「幹事長代行」と「幹事長代理」、「副幹事長」というものがあります。副幹事長は30人ぐらいに分かれているのです。
飯田)副幹事長は上を見るとすごく並んでいますよね。
須田)それ以下の、平の幹事長室の職員はいないのではないかというくらいです。そのなかで筆頭の副幹事長が幹事長代理なのです。これは、かなり上のポストでして、閣僚級です。幹事長代行ともなると、幹事長が職務を遂行できなくなったら代わりに職務をしますよ、というもので重要閣僚級です。ここに甘利さんがゴリ押しをして、梶山さんを持って来たということなのです。
飯田)経産大臣をされていましたよね。
須田)ワン・ツーで甘利さんが幹事長室を握ったということです。
党高政低か
飯田)いままでと違って、党が少し強くなるということですか?
須田)そうですね。その意味では、いままでは官邸主導だったのですが、「党高政低」というような形になるかも知れません。
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