ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月20日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。自民党総裁選の行方ついて解説した。
岸田氏以外の3人に推薦人を出している二階氏の思惑
飯田)野田さんも出ましたね。
須田)これも曰く因縁というか……推薦人が20人いないと総裁選というのは出馬ができないのですが、野田さんは20人集めることができるのかどうかということが非常に危ぶまれていました。出馬を否定したその当日に最後の1票が確保できて、それで出馬へということになったのです。最後の1票を出したのが、勿論これは“リース”なのですが、二階派です。二階派の国会議員が貸し出されて、野田さんは幹事長代行ということでもう頻繁に幹事長室を出入りしていて、ほとんど自分の総裁選のために二階幹事長のもとへ1日に何回も足を運んでいました。なので、その辺をみんなウォッチしていたのですが、結局19人まではいきましたが最後の1人が足りないということで、頭を下げて二階さんから借り受けた。結局二階派は合計で8人出したのです。
飯田)野田さんの推薦人に。
須田)はい。そのようなことから考えて、二階さんの思惑がこのなかにあるのではないかなと思うのです。ただ、その思惑は私も探り切ることができませんでした。二階さんの思惑についてしっかりと取材をしてみたいと思います。
飯田)確かに推薦人だけでも、高市さんなどにも出していますね。岸田さんには出していませんが、他の3人にはそれぞれ推薦人を出しているのですよね。
須田)河野さんにも出していますからね。
飯田)そのようなどこにでも、という全方位外交的なことをやっているのですね。
選挙のための「看板」を考えると圧倒的に河野氏
須田)加えて、野田さんの出馬が決まったということを受けて、けっこう河野陣営がショックを受けたのです。党員・党友票が別れてしまうのではないかというところで、少しショックを受けました。これはけっこう意外なのですが、これほどまでに河野さんに対する逆風が党内で強いのかと、そのような受け止め方をした。そうすると、二階さんはもともと岸田さんに対しては完全にアンチですよね。
飯田)党役員改革で任期の話を持ち出してきた。俺の首をとりにきたのかお前は、という感じですね。
須田)完全に頭に来ているということがあって、ここだけは絶対に許せないという状況なのですが、結果的に河野さんの足を野田さんが引っ張ることになると、岸田さんの方に優位に働いてしまうという状況になりますからね。その辺が二階さんの腹が読みきれないところなのです。では、軸となっている河野さんの陣営のこの総裁選に対する戦略はどのようになっているのかというと、河野さんはまったく自民党の国会議員から人気がありません。人気があるとすれば、河野さん自身の人気でして、来たる衆議院選挙、そして来年7月には参議院選挙、衆参両院で自分たちの選挙のためには誰かベストなのか、誰が看板だったらいいのか、ということを考えるので、そうするとこの並びでいうと圧倒的に河野さんなのです。
男の嫉妬はここまできついのか 甘利氏だけは河野氏の出馬に関して頑として首を縦に振らない
須田)とはいっても、それは当選回数の若い、選挙に弱い国会議員であって、ベテラン層、たとえば同じ麻生派の甘利さんなどはまた違ってくる。私は男の嫉妬はここまできついのかと思いましたが、甘利さんだけは河野さんの出馬に関して頑として首を縦に振らない。ということで、結局岸田陣営のほうに行ってしまう。つまりベテラン議員に対しては受けが悪いのです。ただその気持ちもわからなくもない。どうしてかというと、やはりいちばん問題になったのは、イージス・アショアの件(※防衛相時代の配備計画停止)です。そのような点でいうと、国会議員票はどのようになるのかな、というところがひとつのポイントですね。
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