ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月5日放送)に経済アナリストのジョセフ・クラフトが出演。タックスヘイブンを利用して課税逃れや資産隠しを行ったという内部資料をリークした「パンドラ文書」について解説した。
パンドラ文書 ~イギリス元首相のトニー・ブレア氏の名前も
世界の首脳や富豪らがタックスヘイブン(租税回避地)を利用して課税逃れや資産隠しを行っている記録、通称「パンドラ文書」を国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した。タックスヘイブンとの関わりが判明したのは、およそ330人以上にのぼる。
飯田)この7年間で、世界のリーダーなどの資産や取引などをめぐり、さまざまな資料がリークされています。記憶に残っているのはパナマ文書やパラダイス文書、フィンセン文書などがありますが、今回も規模が大きいようです。
クラフト)タイミングが悪いですよね。これだけ国際租税問題が起きているなかで、各国が企業の税隠しなどを調査しているのに、自分たちがやっていたということがバレてしまう。コロナ禍で格差が拡大していますし、今後は反発が高まると見ています。
飯田)イギリスのトニー・ブレア元首相や、プーチン大統領、チェコのバビシュ首相など、いろいろな人の名前が出ています。
クラフト)プーチンさんは仕方ないとしても、イギリスなど先進西洋諸国の首相たちが関与しているというのは、いかがなものかと思いますね。
各国政府が国民に所得隠しを厳しくするなか、政府の人間も「それに従わなければならない」という意識にならざるを得ない
飯田)なかには、「合法なのだけれども」というものもあるようですが、そうまでしてでも、外にお金を出して節税したいものなのですか?
クラフト)日本の政治家が入っていなかったのは、あまりお金を持っていらっしゃらないのか、わきまえているのか。よかったとは思いますけれど。
飯田)ここに出て来る人は相当稼ぐのですね。
クラフト)ブレア元首相の場合は、任期中に稼いだのではなく、退任後の演説など、いろいろなことで稼いだもののようです。それにしても、トップであるリーダーが所得隠しや資産隠しというのは、いかがなものかと思いますね。
飯田)この波紋は広がりそうですか?
クラフト)広がると思います。今後こういうやり方は、ある程度是正されるし、政府が国民に対して税隠しなどを厳しくするなか、「自分たちもそれに従わないとやって行けない」という意識が出るでしょう。もう1つは、サイバーセキュリティなのかどうかはわかりませんが、よくこういう情報がリークできたなということです。情報が公開されることはいいことだと思いますけれどもね。
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