歯科治療を受けていると献血できないことがある ~献血の条件
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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が10月6日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。献血の条件と献血直後の注意点について解説した。
出血を伴う歯科治療を受けている場合、治療後3日間は献血できない
飯田浩司アナウンサー)今回は献血の際、どんなことに注意したらいいのかを具体的に伺います。献血できない方というのは、どんな方が対象になりますか?
森田)献血で得られた血液によって、輸血を受ける患者さんの安全性を守ることが大事です。また献血者の健康を守ることも大事です。そのためにさまざまな基準が設けられています。参考までに、献血ができる場合とできない場合の例をいくつかご紹介します。まず、出血を伴う歯科治療を受けている方は、抜歯などによって口腔内の常在菌が血液中に入っている可能性がありますので、治療後3日間は献血ができないことになっています。
新行市佳アナウンサー)そうなのですね。
森田)意外に知らないですよね。
新行)知らないです。
飯田)血液中に菌が入るということがあるのですね。もちろん健康には問題がないからこそ、こういう治療をやるのでしょうけれども。
輸血や臓器移植を受けたことのある人、また、妊娠中の人は献血できない
森田)続いて、輸血や臓器移植を受けたことのある方に関しては、現在の検査法では検出できないような未知のウイルスを持っている可能性が否定できないため、献血をご遠慮いただいています。これは輸血歴や臓器移植歴のある方が現在、何らかのウイルスに感染しているというわけではありません。あくまでも輸血の安全性を可能な限り高めるという観点からの基準です。さらに妊娠中の方や、出産・流産後6ヵ月を経過していない方は献血ができないという決まりもあります。出産後6ヵ月を経過していても献血できないという場合もありますので、ホームページなどで確認してから予約を取っていただきたいと思います。
ピアスを開けた人は1ヵ月間、献血できない
新行)ピアスを開けた人も献血できないと聞いたことがあるのですが、それは本当ですか?
森田)医療機関、あるいは使い捨ての器具で穴を開けたりした場合は、細菌などに感染している危険性があると判断して、最低1ヵ月間は献血できないことになっています。その他の場合、例えば友達同士で安全ピンや針などで穴を開けるということもあると思うのですが、そういった場合はウイルスが血液を介して感染している可能性もありますので、6ヵ月間は献血をご遠慮いただいているということです。
飯田)半年。
森田)あとは唇や口腔内、鼻腔、おへそなどにピアスをされている方の場合、残念ながら現在は献血ができないことになっています。
飯田)献血をご遠慮いただいている方に関してお話を伺いましたけれども、それだけ安全サイドに振った形で判断しているという印象がありました。ただ、多くの人は献血できるということですよね。
森田)そういうことです。皆さんの安全を考えて、ハードルが高くなっていることは確かだと思います。
献血直後の注意点
新行)献血直後の注意点があれば教えてください。
森田)献血会場では、水分を十分に摂りながら最低10分は休憩するということになっています。当日は激しい運動や飲酒は控えていただいています。また、献血直後に目がクラクラとしてしまう貧血のような症状が起こることがあるので、トイレでは男性の場合でも、排尿は座る姿勢でお願いをしています。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます