東京都医師会理事が語る「デルタ株から身を守る方法」
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東京都医師会理事で「セントラルクリニック」院長、日本内科学会総合内科専門医の蓮沼剛氏が8月24日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。デルタ株に罹らないための対策について解説した。
デルタ株を防ぐには「ゼロ密」を目指さなければいけない
飯田浩司アナウンサー)デルタ株についてですが、従来の新型コロナウイルスとの症状の違いなどを見ると、最大限警戒しなければいけないものですか?
蓮沼)今回のデルタ株は水疱瘡、水痘と同じくらいの感染力があると言われています。ですから、換気の悪いところや狭いところは特に注意した方がいいと思います。いままでは、「3密を避ける」と言っていましたけれども、いまは1密でもいけない。「ゼロ密」を目指さなければいけないと言われております。
飯田)密集、密接、密閉。
蓮沼)具体的には、屋内の喫煙所、対面で会話をしながら食事するようなところや、混んだ電車は避けたいです。
飯田)混んだ電車も。
蓮沼)複数の人が乗る自動車や、混んだエレベーターも危険だと思います。
マスクは不織布マスクを着ける~布マスク、ウレタンマスクは効果が落ちる
飯田)少し前まで、電車に関しては、満員電車でもみんな黙ってスマホを見ているから、ある程度大丈夫なのではないかと言われていたのですが、それも成り立たなくなって来ていますか?
蓮沼)不織布マスクを着けていれば、ある程度予防はできます。それでもスーパーコンピュータのシミュレーションでは、飛沫を吐き出す量が20%、飛沫を吸い込む量が30%。つまり、マスクをしていても飛沫が2割出る。あるいは3割吸い込むということが言われております。夏は暑いので、布マスクやウレタンマスクをしている方が散見されますが。
飯田)何か「ヒヤッ」とするのですよね。
蓮沼)ウレタンマスクは呼吸がしやすいのです。しかし、呼吸がしやすいということは役に立っていないということです。
飯田)ウイルスを通してしまうということですか?
蓮沼)そうなのです。スーパーコンピュータでは、布マスクだと、吐き出す量が18~34%、吸い込む量は何と55~65%。
飯田)半分もカットできないということになりますか。
蓮沼)そうです。ウレタンでは吐き出しが50%、吸い込みは60~70%。あまりよろしくないですね。
飯田)なるほど。不織布マスクをきちんと着けないと。
蓮沼)鼻にあてる針金があったら、それをきっちり曲げて隙間がないようにしてください。鼻だけ出していたり、電話するときに顎の下に下げたりすることはしないでください。
飯田)いますね。
くしゃみをするときはマスクをした上で腕で押さえる
蓮沼)くしゃみをするときに、わざわざ外す人がいますけれども、大変よろしくないです。
飯田)飛沫が飛ぶときのためにマスクをしているにもかかわらず。
蓮沼)くしゃみをするときは、マスクをした上で、腕で押さえる。
飯田)マスクをした上で、腕で押さえなければいけないのですね。
蓮沼)手で押さえたりすると、手のひらにウイルスがつきますので、よろしくないです。
飯田)そうか。2割の部分が越えて来るわけですよね。
電車でつり革を掴んだら、首から上は絶対に触らない
蓮沼)マスクをして電車に乗ったら、つり革は触っていいのです。危ないですからね。
飯田)転倒すると危ないですものね。
蓮沼)その代わり、首から上は絶対に触らない。
飯田)乗っているとき、降りたあと。
蓮沼)どこか触ったり、目を擦ったり鼻を擦ったりすると、感染する確率が高くなります。
番組情報
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