東京都医師会副会長で「平成立石病院」理事長の猪口正孝氏が8月11日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。ワクチンの効果について改めて解説した。
ワクチンの有効性は高い~高齢者の接種で証明
飯田浩司アナウンサー)高齢者の方々の新規感染者数が激減しています。やはりワクチンの効果が顕著に表れているということでしょうか?
猪口)ワクチンの優先接種は医療従事者から始まり、その後は高齢者、そして何かリスクをお持ちの方という形でやっています。まず医療従事者が終わって、医療機関でのクラスターがほとんどなくなりました。その後、東京で言えば、60歳以上の方たちの感染が5%くらいになった。そういうことを考えると、ワクチンの有効性はかなり高いと言えます。
飯田)一方で若い世代の方には、ワクチンが行き渡らないという状況もあります。一時は打ち手が足りないということも言われましたが、現場がフル稼働でやって「1日170万回」というような数字まで出て来ました。
猪口)「打ち手が足りない」というのは、相対的な表現なのかも知れませんが、供給されているワクチンに対しては、頑張って打ち手を増やしましたので、いまは間に合って来ていると思います。医師会は、何よりも優先してワクチンを打つことをやっています。
ワクチンは必ず打てるので、とにかく予約を入れて欲しい
飯田)一時的なことなのかも知れませんが、ワクチン不足とも言われています。この辺の見通しはいかがですか?
猪口)国の計画に従って入って来るものなので、その計画を見て言うしかないのですが、定期的に入って来ることは約束されているようです。そのため、いますぐには打てないかも知れませんが、予約を入れていただいて、順番が来たところで打っていただきたいと思います。
ワクチンを打つことで重症化が90%以上防げる
飯田)アメリカやイギリスでは、「若い人にどう打ってもらうか」ということが議論されています。「副反応が怖い」ということですが、これに対してはどうですか?
猪口)副反応は多くの場合、1週間以内になくなってしまいます。アレルギー反応に対しても、かなり厳重にその後の処置のことも考えながらやっていますので、アレルギーによる事故もほとんど起きていないと思います。
飯田)ほとんど起きていない。
猪口)実際にコロナに罹ってしまった患者さんたちの話をお聞きになるとわかりますが、39度くらいの高熱が出ると、それだけで生きるか死ぬかを考えてしまいます。経験したことのないような倦怠感や味覚障害も起きます。若い方でも、その症状は副反応とは比べものにならないくらい苦しいものです。個々それぞれの方がどう思うかというところはありますが、私はワクチンを打った方がいいだろうなと思います。有益性はそちらの方があると思います。
飯田)打った方がいい。
猪口)感染予防は3人に2人くらい、70%くらいは効くのですけれども、重症化予防は90%以上とかなりの確率で効いています。多くの方が、ワクチンを打つことによって重症化していないのは確かだと思います。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます