「大人の発達障害」その症状と、必要な周囲の理解

By -  公開:  更新:

東京都医師会副会長で「ひらかわクリニック」院長の平川博之氏が9月28日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。大人の発達障害について解説した。

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

大人の発達障害~ADHDとアスペルガー症候群

飯田浩司アナウンサー)発達障害についてお話を伺っていますが、大人になってから症状が出て来るという人もいるのですか?

ADHD

平川)大人の発達障害の代表は、注意欠如・多動性障害(ADHD)とアスペルガー症候群です。ADHDの場合、多動症状は発達や躾で目立たなくなるのですが、注意欠陥や注意散漫などは残ってしまい、社会人になっても仕事中にボーッとしてしまったり、最後まで仕事をやり遂げられない、あるいは業務が正確にできないなど、仕事の優先順位が下がってしまうことがあります。不注意によってダブルブッキングしてしまったり、約束時間を守らない、あるいはギャンブルやアルコール依存など、周囲からすれば問題に見えるようなことをしてしまう場合があります。

飯田)ギャンブル依存やアルコール依存も、発達障害とつながっているかも知れない。

平川)そうですね。背景に発達障害があって生きにくさを感じていたり、これまでの人生で怒られてばかりで自己評価が低く、社会参加ができず、アルコールに走ってしまうということもあるかも知れません。

アスペルガー症候群

飯田)一方で、アスペルガー症候群というのはどんなものですか?

平川)アスペルガーの方は3つほどポイントがあって、1つは社会性の問題です。そもそも、人と親しくなりたいという気持ちがあまりないのです。友達が少なくても気になりませんし、会話中も視線が合わなかったり、「上司に対して頭を下げる」というような暗黙のルールに疑問を持ち、「偉い、偉くない」などの区別もつかなかったりするのです。

飯田)上下関係の区別がつかない。

平川)コミュニケーションの問題として、表情から相手の気持ちが読み取れないので、くどくなったり言葉の意味を額面通りに理解してしまう。「道草を食わずに帰りなさい」と言われても、「先生、ヤギじゃあるまいし道の草なんて食べませんよ」というような感じです。五十歩百歩と言われても、「50歩と100歩では倍違いますよ」というように、言葉の通りにしか受け取れず、深みがわからないということがあります。また、過度に集中し過ぎてしまう側面があって、延々とパソコンやゲームをしたり、融通が効かないことがあります。ある意味、完璧主義なところもありますね。

飯田)そのようなことが、性格由来というよりは発達障害の可能性もあると。

平川)濃淡はあるので、正常な方もいれば、かなり障害が出ている方もいます。

新行市佳アナウンサー、平川博之氏、飯田浩司アナウンサー

管理職になったことがきっかけで症状が出る場合も

飯田)入社して若い時期に出て来るのか、それとも何年も経ってから出て来るのかは、人にもよりますか?

平川)そうですね。いま話したようなエピソードは入社直後くらいのことが多いのですが、30代半ばを過ぎて、昇進などがきっかけで気付くこともあります。主任や課長のような管理職になり、部下を束ねたり、報告を詳細にチェックするなどの業務の際、途端に問題が出て来てしまうのです。自分のペースではできても、部下の気持ちや上司の思いに配慮して、両者を意識しつつ気配りをするということがどうしても得意ではないのです。

飯田)なるほど。名選手は名監督にあらずのような。

平川)おっしゃる通りです。名選手だった人が「なぜだ」というくらい崩れてしまうような。いつまでも名選手であって欲しいので、「管理職から外れる」ということも1つの方法だと思います。

症状を理解して会社が配置を考えることも必要

飯田)会社としても全体を考えなければいけないのかも知れませんね。

平川)特性に合わせた部門について欲しいですよね。

飯田)症状を周りも理解しつつ、配置を考えるということが必要になって来ますか?

平川)本人も楽になりますし、職場としてもいい形に回って行くということで、まさにお互いを理解するということですね。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます


Page top