コロナ禍を機に忘年会をやめる企業も ~10月の消費支出0.6%減
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月8日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。10月の消費支出が0.6%減少したというニュースについて解説した。
10月の消費支出0.6%減、外食が低迷
総務省が12月7日に発表した10月の家計調査によると、2人以上の世帯が消費に使った金額は28万1996円で、前年同月比0.6%減となった。前年同月を下回るのは3ヵ月連続で、緊急事態宣言が9月末に解除されたものの、飲食店の営業時間短縮や人数制限が続いた影響で伸び悩んだ。
飯田)10月は緊急事態宣言が終わり、「これで消費が増える」と思いきや、というところですか?
高橋)段階的に解除したので、時短要請などが足を引っ張ったのかも知れませんね。
飯田)緊急事態が解除されて、10月くらいになると、PCR陽性者の1日あたりの数も相当減ったにも関わらず。
高橋)自粛もあるし、酒類提供の制限も残っていました。
飯田)未だにその部分が尾を引いているような感じがします。
コロナ禍を機に忘年会をやめる企業も
高橋)忘年会をやらなくなったという企業なども少なくないですよね。構造的な話もあるかな、という気はします。
飯田)構造的な話。
高橋)以前は形式的に忘年会をやっていたけれど、これを機会にやめるというような。
飯田)「こういうものは、無駄だったのではないか」と。
感染者数が減少したところで出て来たオミクロン株の影響
高橋)でも、今度は「オミクロン株が大変だ」と言って、雰囲気的に「パッ」としないですね。
飯田)せっかく解除された上に、これだけ感染者数が減っているにも関わらず。
高橋)また、新聞によっては「感染が拡大する」と大きく書いているところもありますし。感染しますよ、はっきり言えば。
飯田)東京新聞の一面では、
『検疫でオミクロン株陽性なら全員入院 症状の有無問わず 政府、教訓踏まえ厳格措置』
~『東京新聞』2021年12月8日配信記事 より
飯田)……とあります。
高橋)オミクロン株でなくても、インフルエンザでもまったく同じことが言えますね。
飯田)普通の風邪であっても、「市中感染している」というようなこと。
感染力は強いが毒性は低いか ~オミクロン株の特性
高橋)オミクロン株の感染者は南アフリカがいちばん多いのです。南アフリカの8割以上がデルタ株からオミクロン株に変わっています。南アフリカの新規感染者数は急増しています。
飯田)そうですね。
高橋)感染力はグラフの傾きでわかるのです。従来に比べて傾きが大きいので、間違いなく感染力は高いということです。
飯田)グラフの傾き方が。
高橋)しかし死者数のデータを見ると、増えていない。逆に下がっているのです。死者数は少しあとに出て来るのですけれど、11月の頭からのデータを見ると、感染者数に比べて死者数が低いので、「毒性が低い」ということが推測できます。現段階でこういうことを言うと「時期尚早」と言われるのですが、あと1~2週間もすれば、「オミクロン株の毒性の強さ」についてはきちんと言えると思います。
飯田)1~2週間すれば。
高橋)もう少し我慢したら、いろいろなデータが出て来るでしょう。
飯田)アメリカ政府の首席医療顧問を務めているファウチさんは、「これまでの重症化の度合いは高くないようだ」とCNNのインタビューで答えています。「断定するのは時期尚早だが」と断っていますけれども。
高橋)データを見るとそうなのです。11月初旬からアフリカで感染が始まったことがわかっています。そこから40日くらい経っていますので、ある程度の特性は言えると思います。
飯田)確定ではないにせよ。
高橋)もちろん、データは長ければ長いほどいいのですけれどね。ただ、いまのところの重症化率や死者の出方から見ると、毒性は強くなさそうです。これはウイルス学の基本ですが、「感染力が強いと毒性が下がる」という傾向があります。変異するとそうなるのです。ウイルスもたくさん感染させなければいけないので。
飯田)生き延びるために。
高橋)断定はできませんし、慎重にデータ分析しなくてはなりませんが、いま見る限り、毒性は低そうです。
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