ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月19日放送)に外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が出演。韓国の警察庁長官が竹島に上陸したことを受けて決定された、日米韓外務次官級協議の共同記者会見の中止について解説した。
日米韓次官級協議、竹島めぐり共同会見を中止
日米韓3ヵ国の外務次官級協議は11月17日、アメリカの首都ワシントンで行われ、北朝鮮の核ミサイル問題などについて緊密に連携することで一致した。しかし、島根県・竹島に韓国の警察庁長官が上陸したことを受け、共同記者会見が急遽中止となっている。
飯田)セットされていた共同会見に日本の次官が出ず、中止になるというのはよくある話なのですか?
宮家)あまり聞きません。これは韓国の酷いやり方です。日米韓で北朝鮮に対し、連携してメッセージを送らなければいけないときに、そしてこれから記者会見をやろうという前に、なぜわざわざ警察庁長官が上陸するのか。これは意図的にやっているのです。何かの間違いで行ったわけではないですから。
飯田)間違って行くようなところではありません。
共同会見中止は正しい判断 ~日米韓の連携した北朝鮮へのメッセージが飛んでしまった
宮家)深読みかも知れませんけれども、韓国側は日米韓が揃ってアメリカで協議をしているときに、当然だという感じで「シレッ」とこのような既成事実をつくろうと思ったのかも知れませんけれども、そうは問屋が卸しませんよ。そこまでやられたら当然、日本も筋を通さなくてはいけないですから。私は日本のやり方は正しかったと思います。場所がアメリカですから、主催者的な立場のアメリカにもよく説明して理解を得られたのでしょう。
飯田)これはアメリカの面子も潰すことになるわけですから。
宮家)それとは少し違います。今回はアメリカをどう巻き込むかを考えて行われた、実に酷いやり方だと思います。これで韓国の信頼度は落ち、アメリカの同盟国ではあるけれども、アメリカも困っているだろうと私は思います。いちばん喜んでいるのは北朝鮮というだけのことです。
飯田)レームダックになって、もう任期も最後のときですね。
宮家)それとは少し違います。今回はアメリカをどう巻き込むかという形で行われた、酷いやり方だと思います。私はこれで韓国の信頼度が落ち、アメリカの同盟国ではあるけれども、アメリカも困っていると思います。いちばん喜んでいるのは北朝鮮というだけのことです。
ギリギリのところで連携は取り、発表の前に竹島へ上陸して既成事実を積み重ねる
飯田)韓国の意図は何なのでしょう。このタイミングで日本に喧嘩を売るというのは、よくわからないですよね。
宮家)わかりませんね。でも韓国は確信犯的に行ったのでしょう。日本のことは受け入れられないと言うのだろうけれども、そんなことはわかっています。こっちだって受け入れられないのだから。
飯田)それなら次官級協議そのものを流してしまえばいいのに、それはやらないのですね。
宮家)やらないのです。日本もいるのだけれど、仕方ないからギリギリのところではアメリカと連携を取る。でも日米間三国として表に出るときは、その前に1回上陸してしまって、既成事実をまた重ねようとしたのだと思いますが、何のためだったのか。よくわかりません。
中国よりも質の悪いやり方をする韓国
飯田)メールもいただいています。“どんぶり奉行”さん、埼玉県桶川市の58歳の方です。「竹島に関して韓国がやっていることというのは、中国の行動と似ている印象です」といただきました。
宮家)中国は実効支配していなくても尖閣にちょっかいを出して来ているわけです。けれども竹島については、韓国は事実上支配をしているではないですか。こちらがちょっかいを出すならわかります。日本ならば別の方法でやりますけれども、韓国はそれでもちょっかいを出す。中国以上に質が悪いと思います。
瀬戸際外交のような行為
飯田)しかも何だか瀬戸際外交みたいですよね。そうやって振り向かせようとするというのは。
宮家)なぜ同盟国の同盟国に対して、そんなことをするのかと思います。
飯田)今回の共同記者会見の中止に関しては、大臣まで上がることになりますか?
宮家)大臣には説明したと思います。ただ、誰が考えても今回の判断は正しいです。これを非難する人はいないはずです。
飯田)日本の外務次官もやるときはやるぞということですよね。
宮家)骨はありますよ。
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