ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月14日放送)に外交評論家・内閣官房参与の宮家邦彦が出演。北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり、アメリカが北朝鮮とロシアに科した制裁について解説した。
アメリカが北朝鮮の核・ミサイル開発で制裁
アメリカのブリンケン国務長官は1月12日、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり、北朝鮮とロシアの関係者7人とロシア企業1社に対し制裁を科したという声明を出した。
飯田)「制裁の拡大を非難する」と北朝鮮外務省が声明を発表しています。
宮家)ロシアの関係者や企業が含まれているということは、ロシア辺りから情報や技術が流れているということでしょう。アメリカはよくフォローしていると思います。
緩衝国として北朝鮮が必要な中露 ~制裁は正しいが効果は期待できない
宮家)ただ、制裁したところで北朝鮮は痛くもかゆくもないでしょう。既に北朝鮮はコロナで相当厳しい状況です。経済制裁も効いています。でも同時に、北朝鮮が潰れると困る国があるわけです。どこの国とは言いませんが、日本の近くに大きな国があるでしょう。
飯田)大きな国が。
宮家)一方、北にもクマのような国があるではないですか。どちらの国にとっても北朝鮮は必要なのです。特に大きな国には必要です。米軍が駐留する韓国とは直接対峙したくないですから、緩衝国がどうしても欲しいわけです。そうすると北のクマさんは、「自分たちも極東の国だ。アメリカの思い通りにはさせない」となり、間違いなく関与して来る。ですから、北朝鮮には呼吸できるスペースが必ずあるということになります。制裁の判断は正しいのですが、どの程度効果があるかというと疑問です。
飯田)北朝鮮は着々とミサイル開発を進めています。
宮家)アメリカも技術を高めていますので、当然のことです。彼らは生き延びるためにやっていますから。決してお祭りの花火として撃っているわけではありません。その意味では、彼らの核開発は永久に続くと思います。どこまでできるかは別としてですが。
抑止するためには攻撃力が必要
飯田)それに対し、日本はどう守るかということになりますね。
宮家)やはり対応力、抑止力、攻撃力、特に攻撃力が必要だろうと思います。そうしないと抑止できない時代になって行くのでしょう。考え方を少し変えなければならない時期に来ているのかも知れません。
飯田)今年(2022年)は、国家安全保障戦略の改定が予定されています。
宮家)このことを踏まえて改定すべきだと思います。
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