ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月27日放送)に作家で自由民主党・参議院議員の青山繫晴が出演。皇室の活動を維持するための皇族数の確保策について解説した。
皇室の活動を維持するための皇族数確保策
政府の有識者会議の報告書提出を受け、自民党では1月24日、国会内で皇室に関する課題を議論する懇談会の初会合が開かれた。皇室の活動を維持するための皇族数の確保策について、今後慎重に議論する方針を確認した。
飯田)昨日(26日)、日本維新の会も調査会を設置し、初会合が開かれました。立憲民主党も検討委員会を昨日、国会内で開いたということです。この報告書2案が軸となっておりますが。
有識者会議の報告書は「3案」
青山)私からのお願いとして、メディアには事実に基づいて見直して欲しいのですが、報告書は2案ではないですよ。3つです。
飯田)3つ。
青山)有識者会議の今回の報告書は、僭越ですが高く評価しています。まず書きぶりがやさしい言葉で書いてあり、一般国民に読んで欲しいという志がはっきりと感じられます。
女性皇族が結婚後も皇室に残る ~配偶者や子どもは皇族にならない
青山)まず2案について言っておきます。第1案目は、内親王の方々、一般に言うと女性皇族です。皇族ではない方と結婚されたあとも、皇族に留まられるというものです。ただし、大事なことが付け加えてあって、その場合は「配偶者や生まれたお子様は皇族にはならない」ということを担保しなくてはならない、ということが書いてあります。第1案目はその部分も言うべきです。
旧宮家の男系男子の養子縁組などによる皇籍復帰
青山)2案目はいわゆる旧宮家です。GHQが勝手に外せと言っているだけですから、私は旧を付けるのもおかしいと思いますが。その宮家のなかで、神武天皇に父系一系でつながる男子を……女性差別ではなく、父方を辿れるという意味ですけれども、その方々の養子縁組を、皇室典範を変えて可能にするということです。
第3案として、旧宮家の男系男子は養子縁組などを経ずに戻っていただく
青山)その2案に加えて、3案目が書いてあります。これは旧宮家の父系一系でつながる男子の方々に、養子縁組などを経ず、そのまま戻っていただくという案です。私たちのような普通の戸籍ではなく、「皇統譜」という皇室専用の戸籍があるのですが、そこに戻っていただく。
飯田)第3案として。
青山)第3案については、「先の2案で十分でなかった場合に考えるべきだ」ということが留保として書いてあるのですが、これはあくまでも3つ合わせた案なのです。
メディアはなぜ「2案」と報道するのか
青山)しかし、公共放送とおっしゃるNHK含め、2案しかないように報道していること自体が、事実に反します。主義主張やイデオロギーの問題ではなく、事実として3案が出ているのです。
飯田)3案まである。
青山)有権者の方々にお願いしたいのは、わかりやすい言葉で書いてあり、ホームページなどでも簡単に見ることができますから、それを見ていただいて、私の言っていることが正しいのか、メディアが正しいのかを確認していただきたいです。
皇族数の確保から
青山)私が不肖ながら代表を務めている「日本の尊厳と国益を護る会」(略称・護る会)には、自由民主党の現職議員が72人もいるのですが、その護る会が歴代総理にお出しした提言書の肝の部分を、全部盛り込んでいるのです。
飯田)提言書の肝の部分をすべて。
青山)丁寧に書いてあります。慎重に国民の理解を求めること、あるいは第3案に関して、「1、2案がうまく行かないときに考えるべき」など、丁寧に留保が付いています。今回も、皇族数の確保ということですが、その先には、父系一系による皇位継承を安定させるという目的があるわけです。
飯田)父系一系による。
青山)上皇陛下が前にご譲位されたときのご年齢などを基準にして考えると、今上陛下の次の陛下が即位されるのは、結婚されているであろう年齢で、その際に男子がいらっしゃらなかった場合、初めて危機が具体化する。それまでにはまだ時間があるということです。いきなりそこに飛ぶのではなく、まずは皇族数の確保という、みんなの目に見えていることから考えましょうということです。
報告書の中身を勝手に割愛して報道するのは、報道機関の自殺行為
青山)丁寧にやっているけれども、出している3案は護る会の提案書とほぼ同じなのです。それは画期的なことで、小泉政権のときとは真逆ですから。これも報告書を読んでいただきたいのですが、小泉政権時の有識者会議は逆に、「旧宮家と言っても何十年も経っているからダメだ」と。メディアには聞いても、国民には1度も政府として公式に聞かなかった。メディアには聞いていると言っても、予備知識のないまま聞いているのですから。
飯田)予備知識のないままに。
青山)そういう曖昧な状況に基づいて、「旧宮家と言っても国民に支持されない」と勝手に断定し、報告書をつくっていたのです。それを全部ひっくり返して国民に支持、理解を得ることは可能であると。だからこそ、丁寧に議論しましょうということになっているのです。全体として事実のまま報道し、その上で国民世論に聞くべきです。
飯田)事実のままに。
青山)入り口から報告書の中身を勝手に割愛して報道するというのは、報道機関において自殺行為だと思います。記者を18年9ヵ月務めた立場からもそう言います。記者時代であれば、私はこれに絶対に抵抗します。3つの案が出ているのですから、「あんな嘘記事を書いてはダメだ」と。キャップやデスクとどれだけ対立しても、絶対にそれはやったと思います。なぜ現場の記者がもっと言わないのでしょうか。
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