ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月31日放送)に中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也が出演。1月29日と30日に行われた大学入学共通テストの追試験について解説した。
大学入学共通テスト ~大きな課題を残した3つの難事
大学入学共通テストの追試験が1月29日から2日間の日程で、全国48ヵ所で実施された。
飯田)大学入学共通テストの追試験が行われましたが、いろいろと報道されています。
野村)そうですね。三重苦だと思います。1つ目はコロナ禍での感染予防。2つ目は東大前で人が包丁で刺される事件が起こったことです。そのために安全確保が求められました。3つ目は、試験問題をスマホで流出させてしまった事件によって、不正防止対策が求められました。この3つが大きな課題を残したと思います。
飯田)受験生もタフな状況のなかで受験しなければならなかったということですね。
解決策はまだ見つかっていない ~試験問題の流出
飯田)試験問題の流出がかなり大きく報じられましたが、現場では携帯電話の持ち込みはどうなっていたのですか?
野村)基本的に統一マニュアルがあり、試験会場ではスマホを確認する時間があります。受験生にスマホを出させて、電源を切らせ、自分の鞄のなかにしまわせるという手続きをしています。
飯田)電源を切って鞄に入れる。
野村)普通は「試験で失格になったら人生を棒に振る」と考えるので、不正しないということが前提になっています。ですが、今回は袖のなかにスマホを入れていたので、見つけられなかったのです。これを完全に防止するとなると、電波を外部に流せないようにするものが必要ですね。
飯田)ジャミングのような。
野村)それを日本中の会場に設置するという対策も考えられますが、あまり現実的ではありません。ですので、この問題の解決策はまだ見つかっていないというのが現状だと思います。
飯田)いままで性善説でやって来たものがそうでなくなるというのは、世知辛いところですね。
野村)この背景には、スマホが内と外をつなぎやすくしているということもあります。闇サイトのようなものもありますが、スマホが犯罪に対する抵抗感を低くしてしまっているという問題点もあると思います。よく直視した上で、新しい制度をつくる必要があると思います。
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