「住宅ローンの金利上昇」が需要を抑えるのか、さらに金利を上げるのか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月1日放送)に経済アナリストのジョセフ・クラフトが出演。大手銀行の住宅ローンの金利が引き上げられたというニュースについて解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

住宅ローン金利上昇 ~原因は長期金利

国内大手銀行は1月31日、2月の住宅ローン金利を発表した。三菱UFJ銀行が10年固定型の基準金利を年3.49%、三井住友銀行は年3.5%、みずほ銀行が年2.8%に揃って引き上げた。3メガバンクの金利はいずれも2015年~2016年以来の高水準となる。

飯田)メールもいただいています。埼玉県大宮区の“やすひろ”さんから、「変動35年で組んでいまして、やっと半分を支払ったのです。金利が上がると困るので、すごく気になります」ということです。特に変動型の場合は影響が出て来ますが、住宅ローン金利上昇の原因は、長期金利ですか?

住宅ローンの利上げが需要を抑えるのか、それとも駆け込みでさらに金利を上昇させるのか

クラフト)長期金利です。海外の長期金利が上がり、それにつられて日本の長期金利も上がって来ています。ポイントは、住宅ローンの利上げが需要を抑える役割をするのか、あるいは、もっと上がるかも知れないから、いまのうちに買っておこうという駆け込み需要が入り、さらに金利を上昇させるのか。その分岐点に来ている感じはします。

飯田)どちらに転ぶのか。

クラフト)アメリカの例を見ますと、日銀の黒田総裁は2023年まで、物価見通しは1.1%だとしています。

飯田)物価上昇率の見通しは。

積極的に利上げに踏み込むアメリカ ~賃金の上がらない日本はインフレに対しての持久力がない

クラフト)「あまりインフレは上がらない」としています。アメリカも半年前は同じような見方をしていましたけれども、いまはかなり積極的に利上げに踏み込んでいます。日本も過信してはいけないのではないかと思います。

飯田)アメリカを見れば。

クラフト)アメリカの場合は賃金がかなり上がりますので、一定のインフレに対しては耐久力がありますが、日本の場合は、賃金がそれほど上がりません。物価が上昇すると大きく効いて来ますから、そこは要注意ですね。

4月以降、家計にも影響が出て来る

飯田)アメリカのように7%というところまでは行かずとも、家計などに対するダメージが大きくなる。

クラフト)既に家計への影響は出ていると思います。いま消費者物価指数(CPI)は0.7%です。でも実質的にはもっと高い。4月からは携帯電話料金の引き下げ分がなくなりますから、おそらく1.5~2%のCPIになります。そうすると、物価高がのしかかって来る雰囲気になります。岸田政権としては、コロナ対応の次に、物価上昇に注視しているということです。

飯田)コロナ禍で消費が抑えられていた分、それが表に出て来れば、景気が上がる要因になるかも知れませんが、物価の方が先に上がってしまう可能性があるということですか?

クラフト)アメリカでは預貯金が高まり、コロナが抑えられて来たら、一気にそのお金が消費され、インフレを押し上げたのです。サプライサイドの問題もあるのですが。

飯田)アメリカでは。

クラフト)日本はいま半年遅れで、オミクロン株が収束しようとしている。収束すれば同じような需要が入って来て、インフレの押し上げになる可能性もあります。ただ日本の場合は、先ほども申しましたけれど、賃金が上がらない分インフレに敏感なところがあります。そこは少し心配ですね。

国内の需要が厳しいなかで、対策が取りにくい ~住宅ローンは夏まで上がり続ける可能性も

飯田)消費者物価指数を見ていると、海外からのエネルギーなどの輸入も含めた総合指数はプラスなのですけれども、それを除いた指数はずっとマイナスが続いています。国内の需要が厳しいので、手を打ちづらくなりますね。

クラフト)打ちづらいです。年後半には落ち着くと予想していますが、この半年は、ウクライナ情勢とエネルギー価格、円安、そして海外の金利が上がっているということで、金利も上振れ圧力がかかって来る可能性があります。このまま行くと、住宅ローンは夏まで上がり続ける可能性があります。

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