3月11日のニッポン放送「北京2022パラリンピックインフォメーション」(朝6:32~)では、6人の日本人選手が出場する男子「バンクドスラローム」について、ニッポン放送・新行市佳アナウンサーが解説した。
アルペン男子大回転で鈴木が日本勢最高の5位
北京冬季パラリンピック第7日は3月10日、アルペンスキーの男子大回転が行われ、座位で鈴木猛史(KYB)が日本勢最高の5位に入った。2014年ソチ大会で回転の「金」を含むメダル2個を獲得した鈴木は、1回目の9位から2回目の好走で浮上した。
新行)昨日(3月10日)はアルペンスキー男子大回転が行われました。立って滑るクラスは小池岳太選手が14位でした。旗門ギリギリで正確なターンをしながらスピードを出して、攻めの滑りをしました。滑り終わった時点では1位で、達成感に満ちた笑顔がすごく印象的でしたね。
飯田浩司アナウンサー)小池選手が終わった時点では。
新行)また座って滑るクラスでは、技術系種目を得意とする鈴木猛史選手が5位、森井大輝選手は8位でした。残るアルペンスキー男子の競技は、13日の回転のみとなりました。日本勢には、最後の力を振り絞って頑張っていただきたいですね。
飯田)期待しましょう。
新行)きょう(3月11日)はアルペンスキー女子の大回転があります。そして、スノーボードバンクドスラローム、バイアスロン12.5キロの男子立位、女子立位に日本選手が出場します。アルペンスキー女子大回転の座って滑るクラスには、これまで金メダル2つと銀メダル1つを獲得している村岡桃佳選手が登場です。こちらも期待しましょう。
6人の日本人選手が出場するスノーボード男子バンクドスラローム ~温かい気温と黄砂対策を立てて変更したワックスでタイムを伸ばした市川貴仁
新行)私が注目しているのが、スノーボードのバンクドスラロームです。スノーボードは上半身に障害があるクラスと、下半身の障害の程度が軽いクラス、下半身の障害の程度が重いクラスの3つに分かれており、男女別に競技します。バンクドスラロームは「バンク」と呼ばれる傾斜の付いたコーナーが設けられたコースを選手が1人ずつ3回滑走して、その最速タイムで順位を競うものです。
飯田)なるほど。
新行)実はレースが行われる予定だった12日、会場付近に雨が降って雪が溶ける恐れがあるということで、競技日程が1日前倒しされ、きょう(11日)行われることになりました。
飯田)「どうして雨が降るようなところでやるのだ」ということはさておき。
新行)日本は男子バンクドスラロームに6人の選手が挑みます。すごくチームの雰囲気がいいのですよ。チームのよさが伝わって来るエピソードが大会期間中にもいくつかありまして、6日にスノーボードクロスという種目の予選があったのですが、予想よりも暖かい気温と黄砂が混ざった人工雪の影響で、1回目の滑走は相当みんな苦しんだのです。
飯田)人工雪に黄砂が混じって。
新行)そんななか、大岩根正隆選手が「ギア岩根」と言われるほどに板やワックス、道具に詳しく、事前に黄砂対策を立てて、不純物が板に付かないようなワックスを使っていたそうです。そこで大岩根選手おすすめのワックスを借りた市川貴仁選手が、2回目の滑走タイムを伸ばしたのです。
準決勝進出を逃した田渕を抱きしめ「彼は僕のベストフレンド」と世界にアピールした岡本 ~雰囲気のいいバンクドスラロームのチーム
新行)スノーボードクロスの準々決勝で同じ組だった岡本選手が通過し、田渕伸司選手は準決勝に進出できなかったのですが、そのときに岡本選手が田渕選手を抱きしめ、カメラに向かって「彼は僕のベストフレンドなのだ」と英語でアピールしたのですよ。
飯田)へえ!
新行)その瞬間を見ていたので、「グッ」と来てしまいました。これまでも国際大会で互いにアドバイスなどをして来たので、それぞれの強みをみんなで共有する。「みんなでいいパフォーマンスをして行こうよ」という雰囲気なのですよね。
飯田)なるほど。
新行)パラスノーボード日本代表のこれまでの戦いぶりや絆については、パラスポーツ専門のウェブサイト「MA SPORTS」にも記事が掲載されていますので、ぜひご覧ください。
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