かつて光り輝いていた『反権力』がカッコ悪くなった理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月16日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。メディアプラットフォーム「note」に寄稿した『かつて光り輝いていた「反権力」は、なぜカッコ悪くなったのか』という論考について解説した。
陰謀論に陥りやすい反権力 ~「権力が悪いことをしている」と思い込んでしまう
ジャーナリストの佐々木俊尚氏が、メディアプラットフォーム「note」に『かつて光り輝いていた「反権力」は、なぜカッコ悪くなったのか』という文章を寄稿している。
飯田)これは続きものとして書かれています。
佐々木)反権力は、意外に陰謀論に陥りやすいのです。「権力者にみんな騙されているが、我々は愚かな大衆ではないので騙されない」という考え方なので、「権力に騙されない」と考えると、「権力が悪いことをしている」と思い込んでしまう。そのため、架空の権力者の陰謀論などを考えがちなのです。
飯田)架空の。
佐々木)陰謀論というと右派、右寄りの陰謀論ばかりが注目されているではないですか。最近だとQアノンや、「プーチンは光の戦士」というような、よくわからない陰謀論があります。
「ウクライナはネオナチだ」ということを信じてしまう
佐々木)一方では左も左で、実は陰謀論はたくさんあり、「権力者は悪である」と。「我々はそれに騙されない」と考えると、例えば「アメリカは悪である」とか、「日本の自民党政権は悪である」などと考える。
飯田)左は左で。
佐々木)そうすると、今度は逆に日本やアメリカ当局と対立している「ロシアのプーチン政権が善である」など、容易にそちらの言説へ転じてしまう。だから一連のウクライナ侵攻を見ていると、左寄りの人でなぜか「ウクライナはネオナチだ」という主張を真面目に信じてしまう人が出て来ていて、「左は左で陰謀論にハマりまくっているよね」と。それはカッコ悪くないですか、ということです。
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