ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月23日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。2年ぶりに上昇した公示地価について解説した。
公示地価が2年ぶり上昇
国土交通省は3月22日、2022年の公示地価を公表した。新型コロナウイルスの影響が一定程度緩和され、回復傾向が見られた。全国約2万6000の調査地点のうち、4割強にあたる1万1175地点が上昇し、横ばいは約5500地点、下落は約9000地点であった。
飯田)「上昇」と出ておりますが、住宅地がプラス0.5%、商業地がプラス0.4%で、上昇……。
高橋)「下げ止まった」という感じではないですかね。上昇と言うならば何%か上がってくれないとね。誤差の範囲のような話をしています。
テレワークの影響も
飯田)やはり、足元の景気があまりよくない感じを反映していますか?
高橋)細かくいろいろなところを見ていると、地方は少し伸びています。都心より地方の方がよろしいのではないでしょうか。テレワークというトレンドもあるような気がします。「東京で高い家賃で部屋を借りてまでも」という人が少なくなって来ている気がします。
飯田)都市部のオフィス街などでは、下落が続くというようなことが言われています。
高橋)地方都市の方がまだいいということでしょう。毎日職場に通わなくていい職種もありますよね。それであれば、地方でゆったりして、安い家賃の方がいいという人はいるでしょう。
飯田)働き方の多様化が地価にまで影響して来ている。
高橋)私はずっと東京ですから、「なぜ、みんな東京に来て住むの?」と思っていました。
飯田)便利だからということなのですかね。
高橋)職住近接ということでしょう。でもテレワークでいいのなら、地方に住んでいても仕事はできるのですから。
オンラインで仕事ができる人は東京に住まなくてもいい
高橋)オンラインで仕事ができる人は、東京に住まなくてもいいわけでしょう。
飯田)そうすると、イニシャルコストがかからずに働ける。
高橋)たまに東京に行くというのがいい気がします。1週間のうち、何日かは東京に行く、というように。
飯田)イベント的に。
高橋)地価の動きで地方都市が上がっていて、東京都心があまり上がっていないと聞くと、「やはり」という感じになります。
主要都市の中心部は上がっている
飯田)数字で見ても、地方の主要4市である札幌、仙台、広島、福岡は、全用途平均・住宅地ともにプラス5.8%。商業地はプラス5.7%になっています。
高橋)この辺りを見ると、「上がっている」という気がしますけれどね。地方でも上がるところと上がらないところがあって、二極化するでしょうね。
飯田)主要都市の中心部は上がって行く可能性があると。
高橋)主要都市でなくても、例えば軽井沢の辺りに住んで、東京で仕事をするという人が最近は増えているのですよね。
飯田)テレワークにもいいし、環境もいい。
高橋)別荘にいて、たまに東京に行くというパターンです。
観光地も下落が続く
飯田)訪日外国人客が多かった観光地も下落が続いています。コロナの影響がまだまだ、というところですか?
高橋)ありますね。物流や人流が大分変わりましたよね。
飯田)今後戻ると考えるべきなのか、新しい常識のようなものに変わって行くのか。
高橋)テレワークなどは定着する気がします。でも、観光などは行かなくては成り立ちませんから、それは戻るような気がします。
飯田)あとは政府の政策次第ですか?
高橋)「Go To トラベル」ですね。そもそもあれが人流にどれだけ影響があったのか、誰も説明してくれないので、よくわからないです。
飯田)コロナの感染拡大予防に対して。
高橋)みんな「影響がある」と言うのだけれど、きちんと説明してくれないとわからないですよね。また新しい変異株が出たら、第7波が来るでしょう。そうなったら、また人流抑制をするのかどうか、いまのうちに検討してもらいたいですね。
飯田)やや落ち着いたいまだからこそ検証ができる。
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