小橋賢児 もう1つのアイデンティティである「セカンドID」を持つことの大切さ

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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(3月2日放送)にクリエイティブディレクターの小橋賢児が出演。「セカンドID」について語った。

小橋賢児

黒木瞳がさまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。2月28日(月)~3月4日(金)のゲストはクリエイティブディレクターの小橋賢児。3日目は、「セカンドID」について---

黒木)『セカンドID―「本当の自分」に出会う、これからの時代の生き方』という本を出されたということです。セカンドのアイデンティティを持つことでいろいろと広がる。だからいろいろなもの、いろいろな人に出会ったというきっかけは小さい種かもしれないけれども、それがいつか大輪の花になる。

小橋)そうです。

黒木)そう信じていらっしゃる。世界を回ってクリエイティブディレクターをやって、人生を歩んで来られたからこそ出る言葉なのでしょうか?

小橋)「セカンドID」というのは、「もう1つのアイデンティティ」というような意味なのです。いまの時代は自分自身のアイデンティティが本当なのかどうかもわからない。特に日本は、周りの目を気にしながら、よくも悪くも同調圧力のなかで育っているではないですか。いまの自分が本当かどうかもわからないのに、もう1つのアイデンティティなど難しいと思われるかも知れないのですけれども、いまのアイデンティティを認めながら、もう1つ、違う自分をつくってみないかということです。

黒木)もう1つの違う自分をつくる。

小橋)何かのコミュニティに入るのもいいし、主婦がユーチューバーをやるのもいいです。当時の僕で言うと、俳優だったのですが、休業して語学留学をしました。大きな志や意味がなくてもいいのです。いいことだけではなくて、自分にとって一見、不条理なことや不都合なことでも、そういうことに導かれることがあるのではないかなと思います。

黒木)不都合なことでも。

小橋)というのも、僕は30歳直前に結局は仕事がなくなり、お金もなくなりました。病気になって病気から復活するために、「身体を治して、自分の誕生日に人におもてなしをしたい」という目の前のできることをプロデュースしたことをきっかけに……。

黒木)そのイベントが最初のイベントだったのですね。

小橋)そうです。自分のやったことがなかった何かにチャレンジするということが、気付くと未来が向こうからやって来たという形になって行ったのです。

黒木)まず身体を健康にしようと、そしてその30歳のイベントを考えられたのですよね。

小橋)そうですね。

黒木)そして成功するのですよね。

小橋)誕生日は、身体が元気になったということと仲間が来てくれたということで、生きていることへの感謝、その価値に気が付いたのです。

黒木)生きていることへの感謝。

『セカンドID』(小橋賢児・著/きずな出版)~The Human Miracle 株式会社(2019年4月22日)プレスリリースより

小橋)ただ、そこからすぐに仕事がたくさんあったわけではもちろんなくて、その先は簡単ではありませんでした。しかし、1つ1つ積み上げて目の前のできることを試行錯誤してやって行ったら、あるときに300人のハコに1000人くらいが来るようになって、企業の方から一緒に仕事をやってみないかと声がかかるようになった。そして、数年後、フェスのディレクターになっていまの自分があるのかなと思います。

黒木)試行錯誤をしてやって行くうちに。

小橋)いま思えば、大きな夢を志して歩んだわけではなくて、目の前のできることである自分の身体を治すこと、そして人におもてなしをすることに最大限注力をして頑張ったことがきっかけです。

黒木)いま思えば。

小橋)そう思うと、どんなきっかけでも、自分の置かれているところでチャレンジすることが、自分でも想像していない未来をつくってくれるのではないかなと思い、本を書かせていただきました。

黒木)「過去を否定もしない、未来のビジョンも持たない」という格好いい小橋さんの言葉がありますけれども、素敵だなと思いました。ありのままで現状のなかでの美しさや命の尊さや風景の美しさ、そういうものを体で体感するというか、そういうことを大事になさってクリエイティブなさっているのですよね。

小橋)「いまを生きる」という感じですかね。簡単ではないのですけれども、常にそうありたいなと思っています。

黒木)モチベーションは?

小橋)都市と自然というような両極を常に行き来するようにしています。「中道」という言葉が大好きです。中道というのは「どちらでもない」という意味でもあるのですが、僕のなかでの中道は、「両極を知るからこそ真ん中を知る」ということです。常に両極を行き来することで、本当の自分の中心を見つけて行く振り子みたいな感じですかね。常にそこを行き来しているというのが僕のなかでのモチベーションです。

小橋賢児(こはし・けんじ) / クリエイティブディレクター

■1979年8月・東京都生まれ。42歳。
■8才で芸能界デビュー。以後、数々のドラマや映画、舞台に出演。
■2007年、27歳のときに俳優活動を休業。世界中を旅しながら多様な文化に触れながらインスパイアを受け、映画やイベント製作の仕事を開始。
■2012年、アメリカ縦断を描いた長編映画『DON'T STOP』」で映画監督デビュー。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にてSKIPシティアワードとSKIPシティDシネマプロジェクトをW受賞。
■また『ULTRA JAPAN』のクリエイティブディレクターや『STAR ISLAND』の総合プロデューサーを歴任。500機のドローンを使用した夜空のスペクタルショー『CONTACT』ではJACEイベントアワードにて最優秀賞の経済産業大臣賞を受賞。
■昨年は東京パラリンピック閉会式のショーディレクター(総合演出)を担当。2025年の「大阪・関西万博」では催事企画プロデューサーに就任。職業という枠にとらわれない、クリエイティブでマルチな活躍をみせている

番組情報

ENEOSプレゼンツ あさナビ

毎週月曜〜金曜 6:43 - 6:49

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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