4月3日(日)、スポーツライター金子達仁がメインパーソナリティを務めるラジオ番組「The Deep」(ニッポン放送・毎週日曜20時~)が放送された。今回は、サッカー元日本代表 佐藤寿人が出演。佐藤寿人がサッカー解説者として意識していることを語った。
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金子達仁・佐藤寿人
一流アスリートたちをゲストに迎え、スポーツの面白さや、アスリートの心の奥底にある想いを届けていく番組となっている、「TheDeep」。Jリーグ歴代最多得点を誇り、サッカー解説者としても活躍している佐藤だが、まだまだ学ぶことが多いと感じているという。
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佐藤寿人
金子:今、私が1番好きな解説者でもあらせられる佐藤寿人さんです。半年ぶりぐらいですかね?オリンピック前にお話を伺った時は、まだまだそんなに解説の仕事をなさっていなかった印象があるんですけど。
佐藤:そうですね。そこまではしてなかったですね。はい。
金子:激増しましたよね!
佐藤:少しずつ増えてきていますが、まだまだ全然。難しいなと思います。どちらかというと、ゴール前での仕事が多かったので、それを試合全体、しっかり言葉にして伝えなければいけない。まだまだ学ぶことが多いなと思っています。
金子:ストライカーの方。特に生粋のストライカーの方って感覚型といいますか。考えて考えてサッカーをプレイしてきたというよりは、匂いを嗅ぎ分けるとか、ちょっと迷信深いというか。
佐藤:ちょっと野性味がある感じですよね。
金子:そういう言い方もできますね!もちろん、城彰二さんのように解説者として、ちゃんとやられている方もいらっしゃいますけれど、割と何て言うんだろう、擬音を使う方が多いというか。そういう中で、佐藤さんは本当に考えて考えて喋ってらっしゃるのが伝わってくると思っていて。解説者としては結構レアだなと。
佐藤:現役時代も自分の持ち合わせている身体と技術で、いかに得点を奪うかってことを考えていたので。伝える側になって、しっかり言語化し、見ている人、聞いてる人が分かりやすくっていうのは考えていますし。でも、いろんな先輩方がいますけど、まだまだ足元にも及ばないなって言うのが正直なところですね。
金子:今日改めてお伺いしたかったのは、そういう佐藤さんのような考え方をするストライカーがいる一方で、例えば世界の超一流であっても、「取れないときは取れねぇもんだよ」と言いますけど。ああいう考え方って別にレアじゃないと思うんですよ。
佐藤:そうですね。取れないときは取れないっていうのは、あくまでも言いわけでしかないと思うんで。
金子:(笑)
佐藤:その現実から目を背けたい。僕もそういうコメントをしたことはありますけど、それって受け入れたくないっていう、言いわけが非常に多く含まれていますし。コメントをする中で、得点を奪うために何をしなきゃいけないのか、一緒になって考えているので。ただそうはいっても、コメントしなきゃいけないところで……。
現実を選手は意外とよく見ていると思うんです。ただ、悪いことは悪いって、なかなか選手も公に言葉にできないので……。そういう時には「今ちょっと取れない時期なので、また続けて奪いたいと思います」って思ってもいない言葉に変換するんだと思いますね。
金子:なるほどね。
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金子達仁
広島時代に森保一監督と一緒に過ごしていたという佐藤。サッカー日本代表のチーム戦術について話す場面も。ストライカーについて語る佐藤に対し、理路整然だと金子は感じたという。佐藤が今後もストライカーを育てていくことに大いに期待する様子の金子であった。
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