ジャーナリストの佐々木俊尚が4月6日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。初適用から1年が経った「まん延防止等重点措置」について解説した。
「まん延防止」初適用から1年
新型コロナウイルス感染拡大の抑制策として、緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」が初めて適用されてから、4月5日で1年となった。緊急事態宣言発令の前段階でも対策が打てるよう、菅政権が新設し、岸田総理は積極活用して第6波に対応した。
飯田)初適用が1年前かという。オリンピックを前にしての思惑もあったような気がします。
佐々木)前回の正月ごろの第5波は、一気に収束して減ったのだけれど、第6波は下げ止まっている感じで、4月5日も東京都の新規感染者は7000人くらいでした。あまり減っていないのです。
飯田)下げ止まっていますね。
佐々木)日本はワクチンの3回目接種が遅れました。ワクチン担当大臣のせいだとか、岸田政権は何をしているのだという批判もありましたが、その反省で、次の4回目接種の準備は早く始めるようです。ゴールデンウィーク明けくらいからやるという憶測もありますが、医療クラスタの人たちの発信を見ていると、海外でのいろいろな研究で、4回目接種はあまり効果がないという話も出ています。
飯田)総理官邸のホームページを見ると、4月5日段階のデータで、65歳以上の高齢者に関しては83.3%が3回目接種を終了していますが、全体で見ると43%です。
佐々木)低いのですよね、相変わらず。
コロナ禍によって変わった生活様式 ~飲みに行かなくなった
佐々木)みんな飽きてきたのと、ウクライナ情勢もあり、ほとんど忘れかけているのではないでしょうか。スペイン風邪もこうやって何となく終わったのだろうなという感じもあります。
飯田)佐々木さんが前回ご出演のときにおっしゃっていましたよね。お医者さんに聞いたらそうだったと。
佐々木)誰も「どう終わったか知らない」ということなのです。今回、いろいろな行動変容がありました。例えば飲みに行かなくなったということは大きいですよね。
飯田)そうですね。
佐々木)会社の飲み会は未だにできないし、どの段階になったら忘年会をやっていいのかもよくわからない。マスクもそうで、いつやめていいのかわからないという。気が付いたら2030年、日本人だけがまだマスクをしていたということになるかも知れない。
飯田)メジャーリーグや海外のサッカーの映像を観ると、みんなマスクしていないのですよね。
佐々木)3月のアカデミー賞の授賞式でも、ほとんどの方がマスクをしていませんでした。先日、飲食関係の人と会う機会があって、「まん延防止が解除されたし、リベンジ飲み会などでお客さんが増えているのではないですか?」と聞いたら、「増えていない」と言うのですよ。2年間のコロナ禍で、飲みに行くという習慣がなくなってしまった人が多いそうです。
協力金がなくなり締めざるを得ない飲食店も出てくる可能性も
佐々木)飲食店もまん延防止や緊急事態宣言が出ている間は、自治体からお金を支給されていたではないですか。
飯田)協力金的なものが。
佐々木)それで成り立っている飲食店もあるのです。特に個人経営の店主1人でやっているような小さなバーであれば、月に30万円支給されたら、下手をするとそちらの方が売り上げが多い。ところが、協力金がなくなってお店を開けることになっても、お客さんが戻らないので、先日話した飲食店の人曰く、「これから潰れる店が増えますよ」と。
飯田)税理士の知り合いに聞いても、飲食店では過去最高益を出したところもあったそうです。そういうお店がこの先どうするのか。
日本人はいつマスクをやめるのか
佐々木)新型コロナも今後、日常に定着していくという話もあるのだけれど、マスクをする習慣、または飲みに行かないという習慣を、どの段階で終わらせるのかということが明確に見えない。日本人の悪い癖で、ズルズルと続けてしまうこともあるのかも知れません。
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