インフレが続けば、年末から年明けにかけて家計は厳しい状況に
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経済アナリストのジョセフ・クラフトが5月17日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。過去最高となった4月の国内企業物価指数について解説した。
企業物価指数が過去最高の水準に
日銀が5月16日に発表した4月の国内企業物価指数は、前年同月比で10.0%上昇した。上げ幅は比較可能な1981年以降で最高となる。
飯田)指数としては113.5ということで、1981年以降で過去最大という話ですけれども、どう見ればいいですか?
クラフト)当然、日本も絡んでいるのですが、これは世界的な流れとして起きています。直近の値上げラッシュがありますけれども、物価指数はその裏にあるということです。昨日(16日)はサントリーが最大2割値上げすると発表しました。
値上げする企業ほど株が買われている ~通常とは異なる現象
クラフト)本来であれば、値上げする企業は需要が減るということで、株が売られやすいのですけれども、直近では値上げする企業ほど株が買われているのですね。
飯田)なるほど。
クラフト)意外なのですが、考えてみれば、それだけ収益率を守れる。あるいは値上げできるブランド力があるということです。
飯田)市場の評価は、イメージと逆を行くことがあるのですね。
クラフト)しかし、これだけ物価が上がっているなかで、価格転嫁できない企業は、収益率が下落してしまうという懸念もあります。株式市場は、そこを重要なポイントとして見ています。
秋口から年末にかけて響いてくる
飯田)先々のことを考えると、値上げが続けば当然、個人消費は落ち込んでしまうのではないかと考えますが、目先は、企業にとってはよいという評価なのですか?
クラフト)企業の姿勢としては評価されているのですけれども、おっしゃる通り、その先は消費が鈍化してしまう恐れがあります。2014年を思い出すのですけれども、あのときも原油が100ドルを超えて、家計の可処分所得がマイナス8%に下落したという経緯があります。いまはまだプラスですが、これから家計の可処分所得が下がっていき、秋口から年末にかけて響いてくるのではないでしょうか。
インフレが続けば、年末から年明けにかけて家計は厳しい状況に
飯田)企業物価もそうですけれども、為替の変動もありますし、エネルギーがウエイトを占めているという分析もあります。そうすると、日本が手を打つことがなかなか難しくなってきますよね。
クラフト)難しいです。2014年のときは原油高だったのですけれども、為替は100円で、まだよかったのです。それでも家計可処分所得は大きく落ち込みました。今回はダブルパンチですから、どこまで影響するのかわかりません。
飯田)ダブルパンチで。
クラフト)1ついい点は、コロナ禍で規制があった分、預貯金は上がっているのです。家計にまだ余裕はある。しばらくは乗り切っていけるのですけれども、年末から来年(2023年)にかけてインフレが続くようであれば、家計も厳しい状況になるでしょう。
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