キャスターの辛坊治郎が5月30日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。5月28日に刑期を終えて出所した日本赤軍の重信房子元最高幹部について解説した。
武装占拠された1974年のハーグ事件で服役した日本赤軍の重信房子元最高幹部が5月28日、20年の刑期を終えて出所した。
辛坊)1974年のハーグ事件で服役していたということなんですが、日本赤軍というとハーグ事件だけではなくて、我々の世代で最悪のテロ事件はイスラエルの空港で日本人のテロリストが自動小銃を連射して26人が亡くなって、73人が重軽傷を負った事件(※テルアビブ空港乱射事件)。イスラム教徒で巡礼に来てたまたま空港にいたような人たちも含めて、100人ぐらいを自動小銃で打って数十人殺したというとんでもないテロ事件があるんです。これは日本人が3人関わって、2人が現場で死んで1人が逮捕されたんですが、この事件を指示していたのも、のちの日本赤軍。
この日本赤軍のトップだった重信房子元最高幹部という女性はですね、海外に逃亡していると長年思われていたんですよ。ですから、私も逮捕された時にさすがに仰天したんですが、大阪の西成あたりに潜伏していて路上で突然逮捕されているんですよ。水面下で日本の公安組織がもうずっと行方を追っていた最重要人物で、海外にいるからまあ逮捕されないだろうというのが一般的な見方であったんですが、日本国内の路上普通に歩いていたというので。どうして大阪で逮捕に至ったのかがいまだにわからない。多分こういう情報は内部からしか漏れてこないので。で、それだけの最高幹部だった人間だから、日本国内にまず入ってくるにしても、空港から正規のパスポート持って入ってくるわけにはいかないですよ。そんなことしたら空港で即逮捕されますから。一体どういうルートで入ってきたのか。
で、今やはり最大の注目点は、この日本赤軍の傘下で逃げたままの7人と重信元最高幹部の関係。関係がないわけがないんですよ、常識で考えて。水面下でどこかで繋がってるはず……というか、日本赤軍には国内の地下組織みたいな、そういう過激派の人達、テロリストを支える組織というものがあって、重信元最高幹部が逮捕された2000年の時には日本国内に受け入れて生活の面倒を見たという組織が必ずあったはずで、そこからの情報なのか。
あるいは、まあ可能性は薄いですけども……大阪府警に限らず警察には街を歩いてる捜査官がいるんですね。「見当たり捜査」というのですが、この「見当たり捜査」の警察官はですね、指名手配犯の全部の写真を朝から晩までずっと見ている。で、その特徴を頭の中にインプレットして、犯罪者の潜伏していそうなところをとにかく歩き回るんでんです。とにかく歩き回って向こうから歩いてくる人の顔を見て「あっ!」と。
ただ、1970年代に日本赤軍が世の中騒がせている時の指名手配写真と今回逮捕された時の顔は相当違っていて容貌も変わっていますから、見当たり捜査で捕まえたとは思えなくて、当然組織からの内部リークみたいなものを公安が察知して、ここに潜伏してるのがその「重信房子だ!」という情報になったけど、警察の内部でも最初は誰も信じないわけですよ。日本にいるわけないと。最後、どうしたかというと、捨てられていたコーヒーカップを拾ってきて指紋とったんです。照合してみたら「重信房子だ、本物だ」と。そのあと路上にいたところを逮捕して、執念の捜査が実ったわけですが。
同じようにいま7人を追いかけているということですが、重信元最高幹部が釈放された後、その7人と絶対どこかで接触するはずだとみんな公安は思ってますから。人権上の問題というのはいったん横にに置いておいてですが、今後、釈放された重信元最高幹部には、間違いなく24時間365日、公安警察は張り付くということになるだろうと思います。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)