キャスターの辛坊治郎が6月6日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。海洋冒険家、堀江謙一さん(83)がヨットで世界最高齢となる単独無寄港の太平洋横断を果たした快挙に刺激を受け、「84歳で太平洋横断に挑戦し、堀江さんの記録達成年齢を抜きたい」と夢を宣言した。
ヨットで単独無寄港の太平洋横断を目指し、3月にアメリカのサンフランシスコを出港した海洋冒険家の堀江謙一さんが6月4日未明、2カ月を超える航海を経てゴール地点の紀伊水道に到着した。一夜明けた5日、記者会見に臨んだ堀江さんは「精神と肉体の完全燃焼を成し遂げました」と語る一方、「僕は今、青春真っ只中。生涯、チャレンジャーでいきたい。若輩だが、大器晩成を目指す」と次の冒険への意気込みを明かした。
辛坊)堀江謙一さん、太平洋横断ご成功おめでとうございます! ! 堀江謙一さんが今回たどった航跡を見て、「やっぱり、さすがだなあ」とつくづく思いました。私が2021年、ヨットで単独無寄港の太平洋往復横断をしたときの航跡と形はよく似ているんですが、堀江さんのほうが私よりも北寄りなんです。アメリカから太平洋を横断して日本に来るには、いわゆる貿易風帯に入るしかなく、貿易風帯に入ったあとは後ろからの風で西に向かってずっと流れていくんです。私は貿易風の後押しを逃すのが怖いから、どんどん南に下ってハワイ島より南を回ったんですね。北緯15度から20度くらいの間でした。
これに対し、堀江さんの航跡はハワイで一番大きなハワイ島の北側を通っているんです。おそらく、ハワイ島より北側にあるオアフ島のすれすれの位置を通ることが、堀江さんの目的の1つだったのだと思われます。航跡を見ると、大半が北緯20度から25度くらいの間で、いわゆる貿易風帯の最も北を通っているんですよ。
増山)貿易風帯の端っこですね。
辛坊)これ、ものすごく効率がいいんです。地球は丸いですから、赤道に近づけば近づくほど、2地点間の距離は伸びちゃう。だから、できるだけ北を通ったほうがいいんだけれども、北に上がりすぎると貿易風が吹かなくなるんです。私は、貿易風が吹かなくなる恐怖があったから、「多少遠回りしてもいいや」って、もうちょっと南に下ったわけです。でも、堀江さんは貿易風の吹いている最も北のところをすれすれに通って西へ向かって走っています。この航跡だと最短距離で済むんです。さすがですね。
増山)無駄がないわけですね。
辛坊)私も太平洋横断をしていますけれども、そもそも堀江さんが60年前に太平洋横断(1962年、世界初のヨットによる単独無寄港太平洋横断に成功)をしていなければ、私は太平洋横断なんていう夢は抱いていませんでしたよ。堀江さんが太平洋を横断したから、いつかは私も太平洋を横断してやろうと思ったわけですから。一番最初に目標をつくってくれたのが堀江さんの最初の太平洋横断なんです。それで、私も夢を抱いて人生を生きてきて、「そろそろだな」っていうタイミングで挑戦してみたわけです。2013年には一度失敗していますけれども、「もういっぺんやってやろうか」と思ったんです。
増山)堀江さんの今回の快挙を伝えるスポーツ報知の記事に、辛坊さんはコメントを寄せていますよね。「私も84歳でチャレンジして、堀江さんの記録を更新する夢ができました」と。
辛坊)夢を持つのは勝手ですからね。
増山)まあ、そうですねえ。
辛坊)でもね、84歳で私が太平洋を横断できるかどうかということよりも、堀江さんはきっと、100歳でのチャレンジを考えてると思うんですよ。
増山)100歳で!?
辛坊)たぶん。いや、断言しておきます。堀江さんは元気でいらっしゃったら、100歳でもう一回、太平洋を横断されると思います。そうなると、私が84歳で太平洋を横断したところで、「それがどうした!」ってなっちゃうわけです。
増山)そうですねえ。
辛坊)そうなると、次は101歳で太平洋横断を目指さなきゃいけないじゃないですか。
増山)まずは、足腰をしっかりと鍛え、体を整えて健康でいなきゃいけないっていうことになりますね。
辛坊)そうです。ある程度、判断力と体力の両方がないと無理ですから。何かあったときに対処ができないとなりません。特にアメリカから日本への太平洋横断は貿易風に乗ってしまえばいいのですけれども、不測の事態が起きないという保証はどこにもないわけです。何かあったときに対処できるだけの知力と体力は残ってないと、怖くてチャレンジなんかできませんからね。そういう意味でも、堀江さんは見事だったと思います。
ということで、私は84歳で堀江さんの記録を抜くという夢を持ち、これから生きてまいります。しかし、スポンサーがねえ……。堀江さんはレジェンドですから、サントリーが今回、支援していましたけれども、私が84歳で挑戦するときにはニッポン放送がスポンサーになってくれるかなあ。無理だろうなあ。
増山)そこまでは……ねえ。
辛坊)番組スタッフが全員、「無理だ」って手を振っているぞ。何なんだ、この放送局は!
増山)まあ、そのときまでに体力をつけて頑張ってください。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)