宇宙から“牛のげっぷ”を観測!? 人工衛星の驚愕の性能とは
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土田晃之がパーソナリティ、新内眞衣がパートナーを務めるラジオ番組『土田晃之 日曜のへそ』(ニッポン放送・毎週日曜12時~)の6月5日(日)の放送の中で、専門家から明かされた最新の人工衛星事情と将来的な発展について2人が驚かされる一幕があった。
同番組内で放送中のコーナー『宇宙のへそ』では、毎週、つい「へーそーなんだ!」と言いたくなる宇宙ニュースや宇宙雑学を紹介しているが、この日は、「人工衛星が宇宙から地上の“牛のげっぷ”を観測できたことを発表した」というニュースを取り上げた。
番組では、衛星データの活用に詳しい株式会社スペースシフトの金本成生代表取締役CEOが電話出演し、最新の人工衛星事情について詳しく解説した。まずは、人工衛星が宇宙から“牛のげっぷ”を観測する仕組みについて――
新内:宇宙にある人工衛星が地上のメタンガスの排出を確認できるってどういう仕組みなんですか?
金本:技術的に説明すると難しい話になってしまうのですが、メタンなどのガスが吸収する特定の波長の光がありまして、今回の場合は赤外線なのですが、その変化を宇宙から観ているということになります。その赤外線が吸収されている場所がメタンが出ている場所だと観測しているみたいですね。
日本はもちろんのこと世界各国から打ち上げられている“人工衛星”。現状、どのくらいの数が地球の周りを回っているのか――
新内:ちなみに今って宇宙にはだいたいどれくらいの数の人工衛星が地球の周りを回っているんですか?
金本:今、宇宙機として登録されているものの数は12000機ほどで、実際にその中で人工衛星に分類されてるものは大体4000基と言われているんですが、最近、「スペースX」という会社が通信衛星をたくさん(宇宙に)飛ばしていて、それが既に2000基以上あるということになっているので、足すと6000基くらいの人工衛星が地球の周りを動いている状況になります。
新内:そんなに人工衛星を打ち上げて大丈夫なんですか!?
金本:よく衛星同士が衝突して危ないんじゃないかという声やスペースデブリの発生などが懸念されていますが、今のところは、衛星同士で避け合ったりとか、全ての衛星の位置を把握できているので、ぶつからないように運用が出来ています。
“牛のげっぷ(メタンガス)”の発生以外にも人工衛星では様々なものが観測されており、その観測データからCMの放送タイミングまで決めていることもあると金本CEOが明かした。
新内:今回はメタンガス(牛のげっぷ)が確認されたというニュースでしたが、他には、どんなものが衛星から確認できているんですか?
金本:私たちの会社では、衛星を使って色んなものを観測して世の中の役に立てるということをやっているんですが、身近な例で言うと、キャベツの値段が安くなると回鍋肉(ホイコーロー)の素がとても売れるということで、キャベツの成長を衛星で観測していると出荷の時期の予測が出来るわけですね。なので、衛星から観たデータでキャベツ(に関連したもの)のCMをどれくらい流すかを決めたりするような使い方も出てきています。
新内:なるほど。(そんなことまで)宇宙から分かるんですね!
金本:宇宙からキャベツが全国でどれくらい栽培されているか、いつ頃たくさん出荷されているのかというのが分かると、いつ頃安くなるのかというのも分かるので、安くなったタイミングでCMをたくさん流すと。そういう「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな話がどんどん出てきています。
新内が最後に“人工衛星の未来”について「将来的には、こんなことまで衛星から確認できるかもしれないみたいなことってありますか?」という質問を投げかけると金本CEOは――
金本:私達(株式会社スペースシフト)が目指している技術としては、宇宙から人の動き、「大体何人くらいの人が同時に動いているのか?」についてや家畜の管理、放牧しているとどこにいるのかよく分からないので、そういったものまで(宇宙から)観えてくるような技術の開発を進めています。
金本CEOは最終的な目標について「どこで何をしているかという人間の活動が分かれば、それを最適化していくことで、どんどん環境にやさしい人類になっていけるんじゃないかなと思っております」と宇宙からの人工衛星を用いた観測技術の発展によって、人類そのものの在り方まで変えていけるかもしれないと未来の展望を明かした。
番組情報
■パーソナリティ:土田晃之 ■パートナー:新内眞衣
トークの達人・土田晃之がお届けする、お昼12時から4時間の生放送。
72年生まれ土田晃之の青春時代の懐かしいあの話から、プライベートに仕事に気になるニュースまでしゃべりまくり!
ときには、ビッグなゲストも登場!? 日曜のお昼にピッタリなのんびりモードでお届けします。