中国・習近平氏が続投を目指すのは、今、引退したら、自分が危ない立場に置かれるから

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日中問題に詳しい評論家、石平氏が8月2日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。中国の習近平国家主席(中国共産党総書記)が異例の3期目入りを目指す理由について解説した。

中国・習近平氏が続投を目指すのは、今、引退したら、自分が危ない立場に置かれるから

中国共産党中央委員会統一戦線工作会議が2022年7月29、30両日、北京で開催。習近平 中国共産党中央委員会総書記・国家主席・中央軍事委員会主席が出席し、重要演説を行った。(北京=新華社記者/姚大偉)= 配信日: 2022年7月31日 新華社/共同通信イメージズ

中国共産党の習近平総書記は今年の第20回党大会を前に異例となる自らの3期目政権の発足に向けた本格調整に入ったと複数の関係者が明らかにした。党大会は10月中旬以降の開催が見込まれている。

辛坊)習氏は本来ならば、2期10年の今年で引退するはずでしたよね。

石)そうです。鄧小平時代にできた指導者の定年制ルールは、共産党総書記にしても国家主席にしても2期10年での引退です。だから、彼(習氏)も本来ならば今年秋の党大会で引退しなければならないはずでした。しかし、彼の政権になってから独裁化が進み、どうしても辞めたくなくなり、続投を目指しているわけです。

辛坊)そこまで辞めたくない理由は何なのでしょうか。

石)1つは、敵をつくり過ぎたからです。彼は特に1期目で徹底的に腐敗摘発を理由に、多くの政敵を潰しました。公表された数字だけでも25万人くらいが摘発され、刑務所に入れられたり公職を奪われたりしました。彼が今、引退したら、自分が危ない立場に置かれるということです。

もう1つは、彼の権力欲です。彼自身は毛沢東のような偉大な指導者になりたくて仕方ないんですよ。毛沢東は亡くなるまで長く中国のトップとして君臨しましたから、彼は途中で引退するような指導者で終わりたくないんです。

辛坊)毛沢東は中国を無茶苦茶にして、多くの人を殺しましたが、「建国の父」であることも間違いありません。いくら何でも、習氏が建国の父と同格にはなれないのでは。

石)だから、問題なんですよ。本来ならば、彼は毛沢東や鄧小平とは比べものにならない程度の指導者です。にもかかわらず、自己膨張して「毛沢東と肩を並べたい」と考えるようになりました。毛沢東や鄧小平のような指導者と肩を並べたいからこそ、台湾に手を出したくて仕方がないんです。毛沢東も鄧小平もできなかったことが台湾を併合することでしたからね。「俺がやるんだ」という発想です。

辛坊)実績をつくりたいということですね。

石)そうです。それが問題なんです。

辛坊)習近平体制は、いつまで続きそうですか。

石)まずは、あと5年ですね。

辛坊)では、次の世代は育ってきているのでしょうか。

石)むしろ、彼は今、意図的に次の世代を育たないようにしています。次の世代が育つと、自分の地位を脅かすわけですからね。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

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辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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