経済アナリストのジョセフ・クラフトが8月9日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。8月10日に予定されている内閣改造と自民党役員人事について解説した。
8月10日に内閣改造、そして自民党役員人事へ ~旧統一教会と関わりを持つ閣僚を入れない
8月10日に予定されている内閣改造と自民党役員人事に向けて、岸田総理大臣は8月8日、公明党の山口代表らと相次いで会談した。報じられているところでは林外務大臣、鈴木財務大臣、公明党の斉藤国土交通大臣が留任の方向。また、萩生田経産大臣については続投か、あるいは政調会長など自民党の要職に起用する案が浮上している。その萩生田氏は8日の閣議後記者会見で、経済産業大臣の続投に意欲を示した。
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飯田)「俺は骨格じゃなかったのか」という発言を見ると、どうなのだろうと。こういう発言をオンでするのは珍しいですよね。
クラフト)そうですね。原発再稼働、エネルギー政策が重要な局面を迎えています。なおかつGX担当にも7月に任命されたばかりで、(萩生田大臣が)継続された方が物事が進むという意味では、おっしゃる通りだと思います。しかし、総理としては旧統一教会の問題で、1人を閣僚に残すと他の閣僚も入れなければならなくなってしまうため、政調会長などの党の役職に移すことを考えているのではないかと推測します。
飯田)今回は旧統一教会との関わりについて、厳しい身体検査が行われることになりますか?
クラフト)おそらく、閣僚内に関わりを持つ人間を入れないという方向で動いているのだと思います。萩生田大臣は重要な役割を担っているけれども、そこは党の役職に移すしかないという思いなのかも知れません。
自民党の党役職に変化
飯田)党の方では、茂木幹事長は留任なのではないかということが言われています。
クラフト)今回、内閣の要職はほとんど留任なのです。数としては動きがあるのですが、萩生田大臣も不満をおっしゃっていたように「骨格」は変わらない。むしろ今回変わるのは党の役職で、総務会長、政調会長、選対委員長、この辺りの評判が悪いので変えていく。ここが1つのポイントではないでしょうか。
飯田)いまは高市さんが政調会長を務めていて、福田達夫さんが総務会長。総務会長には遠藤利明さんの名前が一部報道では出ていますが、この辺りを変えていくことで政策のつくり方も変わります。
クラフト)エネルギー政策が非常に重要です。そういう意味では、もし萩生田大臣が経産省に残らないのであれば、せめて政調会長として、党のエネルギー政策を進めていくということでは理にかなっているのかなと思います。
台湾情勢が緊迫するなか、岸氏から代わる防衛大臣は重要 ~経産大臣を誰がやるのか
飯田)内閣の方では、重要閣僚が代わるとなると、健康問題が不安視されている岸信夫さんから代わる。いろいろな名前も出ていますが、ここは台湾情勢などを考えると重要ですよね。
クラフト)台湾情勢が緊迫するなかで、岸防衛大臣の健康を考えると、やはり早めに交代した方がいいという決断があり、組閣前倒しに影響したのではないでしょうか。
飯田)今年(2022年)は政府の三文書と呼ばれる国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画が見直される予定です。その所管大臣としては、そちらも重要になってきます。
最も重要な政策は安全保障とエネルギー政策
クラフト)いろいろな意味で重要なのです。したがって、防衛大臣は仕方ありませんが、主要閣僚は留任する。基本的には岸田内閣の骨格は変わらない。変わるとすれば、防衛相と経産相ではないでしょうか。最も重要な政策は安全保障とエネルギー政策です。この2つは急務ですね。
飯田)ここが誰になるのか。寺田稔さんなど、いろいろな名前が出ていますけれども。
クラフト)萩生田大臣を政調会長に持っていくのはいいのですが、では誰が経産相をやれるのかとなると、なかなか名前が思いつかないですよね。その問題も1つあると思います。
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