日米大学の資金力の違いは「文化の違い」 東京工業大学と東京医科歯科大学が統合へ向け協議

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経済アナリストのジョセフ・クラフトが8月9日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。国際卓越研究大学の認定を目指す東京工業大学と東京医科歯科大学の統合について解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

国際卓越研究大学 ~国際的な競争力を上げる

国の10兆円規模のファンドから年間数百億円の資金が支援される「国際卓越研究大学」の認定を目指し、東京工業大学と東京医科歯科大学が統合に向けた協議を始めることがわかった。

飯田)2つの大学は8月8日、「現時点で公表できることはない」とコメントしています。大学再編は進んでいくのでしょうか?

クラフト)少子化に伴い再編が必要ということもありますし、要因の1つにあるのは「国際的な競争力を上げていく」ということです。日本は世界大学ランキングで東京大学が35位、京都大学が61位。その他は300位~400位という感じです。底上げしていかなければいけないということで、いい試みだと思います。

専門分野が重ならない両大学

飯田)東工大と医科歯科大では、お互いの専門分野は被っていないわけですよね。

クラフト)工業と医療で支え合い、全体的に魅力のある大学になることができる。同じことをやっている大学が単に統合するというよりも、違う強みのある大学が一緒になるというのは、いい案ではないかと思います。

卒業生が大学に寄付をする文化があるアメリカ ~収入の半分以上は卒業生の寄付

飯田)海外の大学であれば、大学内ベンチャーも含めてお金を稼ぐ方にも舵を切り、稼いだお金を基礎研究などに回していくというサイクルがありますが、日本の場合はうまくいかないところがあります。

クラフト)日本の大学は資金を稼ぐ力が著しく弱いのです。例えばハーバード大学は、年間4兆円以上の予算を持っています。投資なのですが、日本は政府から数百億円をもらうという規模なので、圧倒的な差があります。

飯田)4兆円。

クラフト)もう1つは文化の違いがあります。アメリカでは、卒業生が大学に寄付をするという文化があります。大学の収入の半分以上は卒業生の寄付なのです。日本の場合はほとんどしませんよね。そういう文化の違いもあり、大学の資金力の差が出ているのです。

飯田)ジョセフさんは、大学はアメリカですか?

クラフト)カリフォルニア大学です。

卒業生などからの支援には大学も応えなくてはならない

飯田)アメリカの大学を見ていると、建物ごとに人の名前が付いています。

クラフト)うちの息子が南カリフォルニア大学に通っているのですが、スピルバーグ氏が建てたビルや、フランシス・フォード・コッポラ氏が建てた立派なビルがあります。彼らは卒業生なのです。あるいはその地域の大学を支援するという形で、超富豪が出資して大学を助ける。日本にもそういう文化があると、大学も育っていくのですけれどね。

飯田)東大の安田講堂などは、安田善次郎がお金を出してつくったものです。日本でもそういう文化がなかったわけではないのですよね。

クラフト)どこでどうなってしまったのかはわかりませんが、ただ単に献金するのではなく、支援する代わりに大学もそれに応えなければいけない。研究成果や教育の質を上げなくてはならない。相乗効果で大学のレベルが上がっていくため、投資や献金支援は重要だと思います。

10兆円ファンドの投資益が大学に振り分けられる ~海外と比べると大きな金額ではない

飯田)イメージのなかで稼ぐことばかりに目がいくと、基礎研究が疎かになるのではないかということが言われますが、アメリカの場合は資金が潤沢だから、そちらにも投資するということもあるようですね。

クラフト)研究者が稼ぐわけではありません。大学の経営者が稼いで、その資金を研究者に振り分け、研究者は成果を出すということです。役割分担がありますので、それで研究が疎かになるということはありません。

飯田)日本の場合は、学者さんたちから経営者も出てくることになるので、その役割分担が。

クラフト)10兆円ファンドも勘違いされる場合があるのですが、10兆円が大学に振り分けられるのではなく、10兆円を原資として投資し、投資益……3%の利益があれば、3000億円を振り分けるということです。海外に比べれば、それほど大きな金額ではありません。年間100億円や200億円ということであれば、人件費だけでなくなってしまいます。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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