海外企業により見直される日本進出 「円安」だけではないその魅力

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経済アナリストのジョセフ・クラフトが8月9日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。物価高の影響により件数が急増し、単月では最多となった7月の倒産件数について解説した。

一時1ドル=138円台を表示した円相場を示すボード=2022年7月14日午前、東京都港区 写真提供:産経新聞社

7月の倒産件数が過去最多の「31件」に ~コロナ禍での助成金等も終了すると、今後、さらに増える可能性も

飯田)8日にいろいろな指標が発表されましたが、倒産件数も増えているということです。

クラフト)コロナ禍で日銀から中小企業への支援があり、それで持ち堪えているところもあります。その支援がなくなることが予想されますので、さらに倒産する企業が増えていくのではないでしょうか。

飯田)企業を支えるというところで、資金繰りに関してもそうですし、あるいは賃金の支払いも雇用調整助成金等々で支えている。そうなると、雇用にも影響が出てきますね。

クラフト)本当に頑張っている中小企業は多くあります。そういう企業は支援したいのですが、その一方で政府からの資金で何とか生き延びている「ゾンビ企業」も多くあるのです。ここは経済のために淘汰し、活性化していかなければならないところは否めないと思います。

雇用の流動性が求められる

クラフト)日本はもともと労働力不足です。日本にいま求められているのは、雇用が移る流動性です。弱い事業からより需要の高い産業に雇用を移していくということが、いまの日本には求められている。実質的には、外国人労働者は少なく、日本人の労働力、労働需要は高いので、この企業が潰れても、他に需要があるところが見込める。そこにシフトできるかどうかが求められています。

飯田)「人が足りない」というところから、いろいろなイノベーションが起きてきました。かつて高度経済成長の時代には、「人が足りないから機械化しよう」というモチベーションが高かったようですね。

クラフト)そうですね。いまもそれに似た状況です。少なくとも日本のサービス産業は生産能力が低いので、さらに上げていく。日本は製造面では競争力が高いのですが、サービス面では効率化が求められています。

見直される海外企業の日本進出 ~労働者にとって、高い給料で他企業に移り、責任ある仕事をすることができるチャンス

飯田)為替の円安もあり、海外からの投資は呼び込みやすい環境なのですか?

クラフト)いまは呼びやすいと思いますし、海外からすれば、日本の質の高い労働力を安く買えるということで、日本への進出が見直されています。そういう意味ではチャンスだと思います。

飯田)見直されている。

クラフト)海外資本、海外企業が日本に進出することは「よくない」というイメージがあります。競争力を測れば日本企業の経営者にとってはマイナスなのだけれど、日本の労働者にとっては、より高い給料で他の企業に移ることができる。あるいは欧米のやり方で年功序列ではなく、責任ある仕事ができるのです。労働者にとって外国企業の参入はいいことですから、プラス思考で見てもいいと私は思います。

飯田)向こうからすると、ドルベースで同じ金額を払っていても、為替の分だけこちらは得をするという。

クラフト)そういうことです。ただ、為替だけで参入していると、ご存知のように為替は変動しますから、いつ円高になるかわかりません。

円安だからではなく、事業環境が魅力的だから長期投資のために進出する

クラフト)ただ、その他の要因があります。例えば地政学リスク。日本は綺麗だし、安全です。そして法を重んじる。事業環境が安定していて事業がやりやすい。こういう面がいちばん大きいのです。そこにプラス円安でコスト安ということが重なって、いま日本への進出が見直されているということだと思います。

飯田)円安ばかりに注目すると、「買い叩かれる」というイメージがあるけれど、決してそうではないということですか?

クラフト)日本全体が魅力的なので進出するのです。買い叩くというよりも日本への投資、長期投資ということです。なかには買い叩くような企業もあるかも知れませんが、基本的には、長期投資のために日本に参入するというのが主流だと思います。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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