「物価高対策」エネルギー政策の根幹を見直すべき

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ジャーナリストの有本香が8月16日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。政府の物価高への対応について解説した。

2022年8月10日、記者の質問に答える岸田総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202208/10kaiken.html)

小麦価格据え置きへ ~岸田総理大臣が物価高対策で指示

政府は8月15日、ウクライナ危機や円安の影響で進行している物価高に対応するため、総理官邸で「物価・賃金・生活総合対策本部」の会合を開いた。岸田総理は食料品のさらなる値上がりなど、国民生活への打撃を軽減する追加対策として、政府が輸入小麦を民間に売り渡す価格について、10月以降も現在の水準に据え置くよう指示した。

飯田)第2次岸田改造内閣が発足し、実質仕事をしたのが8月12日と15日という形ですが、このような会議を開いたということです。

有本)でも、物価高対策も「ああ、それなら」と、みんなの腹に落ちるような対策があまり出てきていないですよね。

飯田)小麦価格も、4月に上がったのではなかったかなと思うと。経済の話ではありますけれども、ここが失速してしまうと、安全保障など、いろいろなところに影響が出てしまいます。

エネルギーのコストをどう下げるのか ~エネルギー政策の根幹を見直すべき

有本)物価高というのはコストプッシュインフレでしょう。小麦に関してはウクライナ情勢の影響があるのでしょうけれども、根っこのところは主にエネルギーなのです。エネルギーに関しては、急場として西村経済産業大臣も随分発信されていますが、ガソリンの補助金などを引き続き行い、対策を講じていくということです。それと同時にエネルギー戦略について、政策の根幹を見直していくべきではないでしょうか。

飯田)そうすると、原発も視野に入ってきますね。

有本)既に西村大臣も原発を動かすことは発信されているわけですが、今後、エネルギーそのもののコストをどのように下げていくかについて考えないと、抜本的な対策にはなりません。

飯田)原子力だけではなく、火力もある意味、天然ガスなどの一本足打法になってしまっている。

CO2排出量の少ない日本の石炭火力 ~原発の建て替えをどうするか

飯田)他方、効率のいい石炭を使った発電もあるわけです。

有本)日本の石炭火力は大変な技術を持っていて、現状でもCO2排出量が少ないと言われるものがあります。最新の技術だと、現状から9割削減できるものもあるのです。そういうものへ置き換えていく。それと、よく考えなければいけないのは、原発のリプレースをどうするのかということです。

飯田)建て替え、あるいは新増設をどうするのか。このままいけば、当然のことながら既存のものは40年を超えてきます。

アメリカで施行された「ウイグル強制労働防止法」 ~価値観を大事にするのであれば日本も同様の方向になる

飯田)その技術を日本国内で使うだけではなく、戦略的に海外に持っていくということになると、経済安全保障の部分にもつながってきます。

有本)経済安全保障は幅広く、技術をどのように守っていくのか、あるいは産業スパイのような人間のスクリーニングをどうするのかという問題もあります。アメリカでは既に「中国で生産されている太陽光パネルはウイグル人の強制労働の産物」だと認定して、事実上アメリカは国内に輸入しないという対策を、6月に新しく施行された「ウイグル強制労働防止法」によって進めています。

飯田)輸入する側が「強制労働はない」という証明を詳細に出さなければ、基本的にはNGだという形に変えた。

有本)価値観外交の話ではないけれども、価値観を大事にするという歩みを日本が行うのであれば、それも安全保障だと考えて、価値観にもとるものについては通商しないのだという方向になってきますよね。

アメリカの株式市場で上場廃止に追い込まれる中国企業が日本に回る可能性も ~課題の多い経済安全保障

有本)一方、アメリカの株式市場では、中国企業が徐々に上場廃止に追い込まれている。そういうことも一種の経済安全保障であるとするなら、アメリカが中国の産品や中国企業、特に中国当局との関係が疑われるところを締め出し始めると、日本に回ってくるでしょう。

飯田)そうですね。

有本)この辺りをどう考えるが大事です。

飯田)「メイド・イン・ジャパン」として出そうとすると、「ちょっと待て」と。「この部品はどうなっているのだ」ということが当然あります。

有本)日本企業が影響を受ける可能性がある。それから、アメリカが制裁対象にしている、例えば通信機器のメーカー。このようなものについて、日本は何の規制もしていません。そうすると、日本にそういうものが次々と入ってきて、俗に言われるバックドアが付いているか、付いていないかでデータが全部抜けてしまうことにもなりかねないわけです。経済安全保障はとても課題が多いです。

高市経済安保担当大臣に期待

飯田)今回、経済安保担当大臣として高市早苗さんが入閣する形になりました。そう考えると、所掌の分野は実はとても広い。

有本)広いのですが、特命担当大臣ですから、役所がついていないという点では、お仕事がそれなりに大変なところがあるのかなと思います。高市さんのツイッターでの発信をめぐって波紋が広がっていますね。

飯田)入閣しなくてもいいとか、辛い思いもまだあるのだと。

有本)辛い思いがあって、組閣の前夜に岸田総理から電話をもらったときには、小林前大臣の留任をご自身からお願いしたということです。とは言え、就任したからには精一杯仕事を行うということも同時におっしゃっているので、高市さんでなければできないことも相当あると思います。

飯田)高市さんでなければ。

有本)政調会長時代にも直接お話を伺いましたが、結果として、閣法で出た経済安全保障の法案についても、まだ十分ではないという認識をお持ちでした。人間のスクリーニングにまで踏み込めなかったことを「悔しい」と思っていらっしゃるのが、まさに高市さんですし、問題点をいちばん深く把握しておられると思います。やはり高市さんに担当していただくというのが、私たち国民にとっても心強いところだと思います。政調会長を務めたのは約1年でした。やり残されたことも多かったのだろうと推測します。

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