前日本銀行政策委員会審議委員でPwCコンサルティング合同会社チーフエコノミストの片岡剛士が10月10日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。46の道府県で10月11日からスタートする全国旅行支援ついて解説した。
政府が全国を対象に導入する観光需要の喚起策、全国旅行支援が東京都を除く46の道府県で10月11日からスタートする。旅行代金については1人1泊当たり最大で8000円、クーポン券も含めると最大で1万1000円の割引を受けることができる。
飯田)パック旅行だと8000円の割引、プラスクーポンが平日だと3000円だということで都合11000円のだというところであります。東京は残念ながら10月20日からなどということになっていますけれども、前にやっていた「GoToトラベル」みたいなものだと思えばいいですか。
片岡)それに似ている部分はありますけれども、今回の場合割引率が比較的高いです。ある意味安値というか、旅行ないしはホテルに泊まったりするという安価な部分についての割引が非常に大きくなっているので、近場のご旅行などには非常に効果が見込めるのではないかと思います。そして今回は実施期間が2~3か月くらいです。「GoTo」は半年くらいあったと思うのですが、今回は少し時間が短いというのが特徴かと思っています。
飯田)期限が12月の下旬までですものね。
片岡)そうですね。コロナの流行がおそらく冬場に見込まれるということを踏まえてなのかもしれません。
飯田)こうなってくると、これは年末には使えないし、11日からだとこの3連休もちょうど終わったあとにということで、旅行業界からすると「やる気があるのか」と思ったりしないのですかね。9月の終わりだって3連休が2つあったではないかという。
片岡)もう少し早めにやっていただけるとよかったなという気がしないでもないですね。
飯田)そして、11日から海外からの旅行に関してビザの免除なども復活するという話が出てきています。この辺りはやはりインパクトは大きいですか。
片岡)そうですね。こちらの方が私自身は期待しているところがあって、インバウンドの進行、それに伴う旅行消費の拡大というところですよね。
飯田)いまはまだ中国がゼロコロナ政策をしいているから、かつてのインバウンドと様相が違って、なかなかここから来る人は少ないのではないかということになっていますね。
片岡)そうですね。だから残ったアジア系、それから欧州を中心としたところです。ここら辺はある意味値段の高いサービスというところを中心に利用されるのではないかという期待はあります。
飯田)そのうえこれだけ円安ということになると、海外から来る人にとっては大きなメリットですよね。
片岡)そうですね。日本的な常識からするともっと高くても海外の方は利用してもらえるのではないかという。そうしたようなものを日本国内全体の経済の浮揚にどうやってつなげていくかというところが重要になってくる気がします。
飯田)ある意味国内だけだと値上げできないところがこれで値上げできるかもしれない。
片岡)ある意味呼び水というか、そうしたところが大事だと思います。そしてあと足もとで消費が弱い部分がありますから、ここら辺の下支えということも含めてもっと振興を深めていく必要があるのではないかなと思います。
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。