東京都医師会理事で「鳥居内科クリニック」院長の鳥居明氏が9月20日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。抗原検査とPCR検査の違いについて、また、新型コロナに関する東京都のさまざまなサポートについて語った。
抗原検査とPCR検査の違い
新行市佳アナウンサー)抗原検査とPCR検査の違いについて、改めて教えてください。
鳥居)抗原検査は、感度が少し弱い部分があります。陽性と出れば確実に陽性なのですが、陰性の場合、充分には判定できていない場合があります。
新行)陰性と出ても。
鳥居)まずは症状が出たら検査し、さらにもう1度、検査すると、PCR検査に近いものになります。
症状が続く場合にはPCR検査を受ける
鳥居)ただ、抗原検査で陰性であっても症状が続く場合、医療施設や自治体などは無料でPCR検査を行っているところがありますので、そこでPCR検査をしていただくことをお勧めしています。
新行)症状が治まらない場合には。
鳥居)特に、感冒症状……咽頭痛(喉の痛み)や、37.5度以上の発熱があった場合などは、抗原検査が陰性でも必ずPCR検査を受けてください。
「陽性者登録センター」に登録 ~重症化リスクの低い20~40代の陽性者
新行)東京都だと、20代~40代の陽性者とそれ以外の陽性者では、それぞれ対応が異なるということですが。
鳥居)現在のオミクロン株では、20歳~40歳代の方は重症化リスクが高くありません。軽症の方にはご自分で抗原検査をしていただき、陽性の場合には「陽性者登録センター」に登録していただくのがいいと思います。
新行)陽性者登録センター。
鳥居)陽性者登録センターから保健所へ通達が行き、「自宅療養サポートセンター(うちさぽ東京)」から、さまざまな対応が来ます。心配な際は「フォローアップセンター」との連絡も取れます。できるだけ、お年寄りや重症化の危険性がある人と医療を結びつけられるように、重症化リスクの少ない人には、ご自分で対応することをお勧めしています。
20代~40代の人で「新型コロナに感染したかな?」と思ったらまず、「東京都発熱相談センター」に連絡を ~重症化リスクのある人は医療施設へ
新行)東京都のホームページを見ると、「発熱相談センター」や「陽性者登録センター」、「うちさぽ東京」など、さまざまなシステムがあります。それぞれ、どのような場合に利用すればいいのでしょうか?
鳥居)発熱や風邪症状がある場合、まずは「東京都発熱相談センター」に連絡して、対応を聞いていただくのがいいと思います。
新行)「罹ったかな?」と思ったら。
鳥居)連絡すると、20代~40代の方に関しては抗原検査キットが送られてきて、陽性であれば、登録センターに登録していただきます。
新行)陽性であれば。
鳥居)それ以外に重症化リスクがある方は、医療施設にかかっていただいた方がいいと思います。
自宅療養患者をサポートする「うちさぽ東京」
鳥居)「うちさぽ東京」は現在、自宅療養患者が多くなっていますので、そのような人たちのために食料や備品を送り、自宅療養をサポートするシステムです。息苦しい場合には、パルスオキシメーターを送ってもらうこともできます。
新行)パルスオキシメーターを。
鳥居)さらに「フォローアップセンター」は、本来であれば保健所や医療機関が健康管理を行うのですが、それが難しい状況になった場合、フォローアップセンターが助ける役目を担います。
重症化リスクがある場合、入院などに関しても「東京都発熱相談センター」に相談する
新行)重症化リスクの低い人は「自宅療養で、自分で登録もして」ということですが、基礎疾患があったり、重症化リスクが高いかも知れないと思った場合、「病院に入院した方がいいか」などの相談の際にも、東京都発熱相談センターに連絡すればいいのでしょうか?
鳥居)わからないときには、まず東京都発熱相談センターへ聞いていただくのがいいと思います。理想的には、かかりつけ医に相談していただくのがいいのですが、連絡が取りにくい際には、東京都発熱相談センターをご利用ください。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます