国産初コロナ飲み薬「ゾコーバ」 その治験データの「疑問点」

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数量政策学者の高橋洋一が11月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。緊急承認された、塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの日本初の国産軽症・中等症患者向け飲み薬「ゾコーバ」の治験データについて解説した。

新型コロナウイルスの飲み薬「ゾコーバ」の緊急承認を受けて記者会見する塩野義製薬の手代木功社長(左)=2022年11月24日、東京都千代田区の鉄鋼ビルディング 写真提供:産経新聞社

飯田)厚労省が塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」の緊急承認を了承したという話が出ました。この緊急承認制度の適用第1号だそうです。

高橋)マスコミの人はたぶん、発表文をそのまま書いているだけだと思いますが、これは審議会なので、専門分科会でどういう議論があったかということは全部公表されているのです。私はこのようなとき、いつも新聞は読まないでその審議会の資料のほうを見るのです。審議会の資料を見ますと、有効性の確認を統計的にやっていて、治験によって、偽薬を使っている場合とこの薬を使っている場合で比較してあるのです。

飯田)この場合ですと、コロナにかかった人のなかで「偽薬」を飲む人と「本物の薬」を飲む人、それを医者もわからないし患者さんもわからないかたちでやって、どのくらい差がつくのかをみるという。

高橋)少しひどいやり方なのですが、そこをみなくてはいけない。差があったらそれは有効だということなのですが、差があるかないかというのは統計分析なので、そのデータを見ました。そうすると、統計として有効性があるとの判定は、まずできないような数字の差なのですよ。「偽薬」と「本物の薬」のグラフがほとんど同じになっていて、識別できないくらいのものです。記者会見で誰かマスコミが聞いたらいいのです。「どこに効果があるのですか?」と。

飯田)「これは軽症などにも使える」そして「ウイルス量は減少した」というように新聞記事ではなっていますけれども。

高橋)その減少の、「偽薬」と「本物の薬」との違いが私にはわかりませんでした。マスコミは聞いたらいいのです。統計量は勉強しないと説明できないかもしれないですが、グラフは見たらわかりますから。効果があるものであれば、見ればだいたい違いがわかります。少し分厚い報告書になっていて、私は薬の保管などについてはよくわからないですが、統計分析のところだけはわかるのでそこだけ見るのです。そこに日本人に対する治験の結果があるのですが、「偽薬」とこの「本物の薬」の違いが全くわからないのです。グラフを示して「こういう風に出ていますけれども、大臣、どうして効果があるのですか?」という質問を、マスコミが誰かしたらいいのです。

飯田)それに対してどう答えていくのか。

高橋)どう答えるのか、あるいは「あとで答えます」というのかは、わからないですけれども。

飯田)緊急承認でこれは保険でやるという。とりあえずいまのところは新型コロナは「2類相当」ということになっているから、全部薬の代金は国が持つというかたちになっていますが、将来的にこれが変わってくると保険適用でお金を払ってということになるわけですからね。

高橋)これは結構高いのですよね。でも統計だけ見ると偽薬とほとんど効果が一緒だから偽薬をそのまま高い値段で売っているのですかという風な議論も出てきてしまう。

飯田)効くからこそ、保険適用にして、という話であると。

高橋)高いのでしょうから、マスコミの人はぜひ質問をしてくださいよ。私が見たときには「え?」というデータでしたから。

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