ジャーナリストの須田慎一郎が12月5日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。日量200万バレルの減産を維持することになったOPECプラスの合意について解説した。
OPECプラス、減産維持で合意
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国による「OPECプラス」は12月4日、オンラインで閣僚級会合を開き、10月の前回会合で決めた日量200万バレルの減産を維持することで合意した。
飯田)協調して原油の生産量を、従来よりも日量200万バレル減らす。これは世界供給量の約2%に当たるそうです。11月から続けているのですが、維持することになりました。そうなるとエネルギーの高止まりは続きそうですか?
須田)高止まりは続きます。そうは言ってもエネルギーのサプライチェーンというか、そういった需給、「ロシアからは買わないけれども他から買いたい」というマーケットが混乱している状況があります。需給全体はひっ迫していないのだけれども、産出国の選択に入っていて、1つのところに集中し始めているという状況なのでしょうね。
飯田)サウジに集中することになりますか?
須田)サウジというか、中東エリアですね。
中東に増産してもらわなければ、ロシアへ本格的な制裁に踏み切れない
飯田)アメリカ中間選挙の前には、バイデン政権が「増産してくれ」とお願いしていたという記事も出ていました。
須田)アメリカは純輸出国ですから、アメリカ自体はそれほど難しくはないのだけれども、他の国々がサウジなどの中東に増産してもらわないと、ロシアへの本格的な制裁に踏み切れないのだと思います。
中期的にエネルギーの供給体制をどう組み立てていくのか
飯田)日本も中東に依存しているところがあるので、他人事ではないと思います。この状態がしばらく続く可能性があるのならば、エネルギー全体について考え直さなければいけないかも知れませんね。
須田)なおかつ、ウクライナ戦争が終結すれば元に戻るのかと言うと、例えばプーチン政権、あるいはプーチン政権的な政権が続いていく以上、西側諸国のロシアに対する経済制裁を含めて、経済的な冷え込みはしばらく継続しそうですから。中期的に見たときに、どのようにエネルギーの供給体制を組み立てていくのかも、1つの大きなテーマだと思います。
飯田)中東絡みで言うと、イランとの関係も含めて、いろいろ問題は孕んでいますものね。
須田)加えて2050年のカーボンニュートラルです。この目標がある以上、取れる手段は限定的なのです。
飯田)産油国としても、完全にゼロにされてしまうと売るものがなくなってしまうところがあって、駆け引きの部分もありますか?
須田)ただ、天然ガスを抽出して水素を取り出すこともできますから。
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